▲テスラのモデルY

 昨年世界の自動車市場全体に占める電気自動車(EV)の販売台数は約1400万台で、新車全体のうち18%だった。2018年時点では2%にとどまっていたが、5年間で急成長した。しかし、EVの普及は依然として初期段階だ。昨年販売された1400万台のうち、60%は政策的にEV産業を集中育成している中国、25%はエコを強調する欧州に集中している。それ以外の地域では依然として内燃機関車の販売がEVより圧倒的に多い。

 こうした市場では1回か2回の決定的な革新が一気に市場を掌握する契機になる。逆に1回、2回もたついたら脱落する可能性も高い。EV業界の雄テスラの場合、8年前の2016年までは年8万台ほどを販売する「優秀なスタートアップ」程度だった。当時世界のEV市場は80万台規模で、まさに胎動を始めた段階であり、2010年に世界初の量産EV「リーフ」を発売した日産がトップ圏にあった。

 しかし、2017年にテスラは新型EV「モデル3」を発売し、急速に世界市場を征服し始めた。価格が1億ウォン(約1080万円)を超えた以前のモデルとから、最安モデルの価格を3万5000ドル(約506万円)まで引き下げ、充電1回当たりの航続距離350キロを維持する技術革新に消費者が歓呼した。

 テスラの販売台数はその後、毎年爆発的に拡大する。2017年に10万台を突破し、2020年には50万台に達し、3年で約5倍になった。20年には中型SUV「モデルY」も発売し、昨年の販売台数は181万台となり、3年で3.6倍に拡大した。一方、一時テスラのライバルだった日産は現在、EV市場でほとんど存在感がない。リーフ以降、革新的な技術によるEV新モデルを投入できず、消費者にそっぽを向かれている。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者

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