社説
「自衛隊の韓半島進駐」 共に民主・朴賛大院内代表はそんなこと本当に信じて主張しているのか【8月5日付社説】
韓国野党・共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は4日に国会交渉団体代表として演説し「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日本に独島まで明け渡し、自衛隊が韓半島に進駐するとの懸念が高まっている」と主張した。「自衛隊の韓半島進駐」という言葉に共に民主党議員らは大きな拍手を送った。同党の李在明(イ・ジェミョン)代表も昨年「自衛隊の軍靴」などの言葉を使い「日本が軍事力で韓国を侵略するかもしれない」と発言した。
政治の世界で相手を攻撃する際には何でも言える世の中になった。これは韓国だけでなく米国や欧州でも見られる現象だ。しかしありもしない主張にも一定の線があり程度というものがある。共に民主党が「政府は戒厳令を宣布する」などと際限のない陰謀論を持ち出すのもまさにその最たる事例だ。
共に民主党の朴賛大院内代表はその線を越えたどころか、国会の代表演説では失笑せざるを得ないことを言い出した。今年初めに米国の調査機関が発表した世界の軍事力ランキングで韓国は英国を上回る世界5位となり、日本は7位だった。国際的な他の軍事専門機関の評価でも韓国の軍事力は常に日本を上回っている。数十年にわたり血と涙の武器開発や実戦的な能力が蓄積され、今や欧州の軍事大国を上回るハイテク兵器を製造する国にもなった。世界5位の軍事強国がただ座った状態で国土が占領される事態など想像もできない。
もし日本の軍艦が独島領海に侵入して接近してきた場合、韓国海軍と空軍の対艦ミサイルや潜水艦の魚雷により間違いなく全て水葬に付される。日本の自衛隊は韓国に上陸すること自体が不可能だ。何よりも日本には上陸する軍隊そのものがない。日本は島国の特性上、陸上自衛隊には大きな比重を置いていない。韓国陸軍や海兵隊に比べれば間違いなく有名無実だ。陸上での戦力を互いに比較すること自体が無意味と言えるほどその格差は大きい。
共に民主党と朴賛大代表が両国の軍事力の現状を正確に知らない可能性は考えられる。しかし例えそうだとしても、日本の自衛隊が独島を占領し、韓国に上陸するなどという空想が漫画にも等しいことを知らないはずはないだろう。それでもこのような主張を続ける理由は、「韓国政府は自ら日本に韓国の国土を差し出すかもしれない」と言いたいからだ。政権を争う立場であったとしても、政府が外国に領土をただ差し出すなどという主張はこの世を惑わすものでしかない。「共に民主党は北朝鮮や中国に韓国の領土を差し出す懸念がある」と言えば、共に民主党はどう答えるだろうか。
数十年も前であれば共に民主党によるこの種の主張も効果があったかもしれない。しかし韓国の1人当たり国民所得(GNI)は昨初めて日本を上回った。輸出額も今年韓国が日本を上回ると予想されている。大韓民国はさまざまな面で日本を上回る国になった。そのような国の政治家が100年前の弱小国国民のようなことを言い出すのはあまりに恥ずかしいことだ。