▲8月26日午後、釜山市海雲台区のBEXCOで開かれた万国地質学会議の開会式。当初、日本の研究者がおよそ500人参加すると予想されていたが、実際には90人ほどが出席するにとどまった。/聯合ニュース

 日本の研究者らが東海の表記を問題視し、釜山で開かれた「2024万国地質学会議(IGC 2024)」への参加がかなり低調だったことが確認された。日本側は、東海を日本海とだけ表記してほしいと要求したが、要求が通らないことから、事実上行事をボイコットした。

 3日に科学技術界が明らかにしたところによると、8月末に釜山のBEXCOで開かれたIGC 2024に出席した日本の研究者は90人の水準にとどまった。日本の学者らは、他国で開かれる行事には毎年およそ500人が出席していた。今回は隣の韓国での開催にもかかわらず、出席者が大幅に減ったのだ。

 万国地質学会議は、地質学分野の代表的な国際学術大会だ。オリンピックと同じく4年ごとに開かれ、「地質オリンピック」と呼ばれる。釜山で開かれた今年の行事には、121カ国の地質学研究者およそ7000人が参加した。

 日本の学者らの大規模な不参加は、東海を日本海と表記することを巡って起きた対立のせいだった。IGC 2024組織委員会の委員長を務めた鄭大教(チョン・デギョ)江原大学教授は「行事を準備している間、1年以上にわたって日本の学界と東海表記問題を巡って交渉したが、最終的に決裂した」とし「政治的な対立が学界で表出した事例」と語った。

 韓国は、2016年に南アフリカ共和国のケープタウンで開かれた国際地質科学連合(IUGS)委員会で、ドイツ・ロシア・トルコとの競争の末に24年のIGC誘致に成功した。20年の行事開催国がインドに決まっていただけに、韓国は地域配分において不利な立場だったが、韓中日の地質資源研究機関国際会議である「韓中日ジオサミット」、アジア地域の地球科学国際機構である「東・東南アジア地球科学計画調整委員会(CCOP)」のような協力モデルがあったことが大きな力になった。

 行事の誘致では日本が韓国を支援したが、開催準備の過程で、公式資料や発表セッションの名称として東海をどのように表記するかを巡っては対立が起きた。韓国の地質学界で構成されたIGC 2024準備委員会は、公式表記として東海(East Sea)を使用する案を推進したが、日本の学界は日本海(Japan Sea)と表記することを要求してきたのだ。

 準備委は後に、東海と日本海を一緒に表記することを提案した。国際学界では二つの表記法を一緒に使用することが慣例であるだけに、折衷案を提示したわけだ。韓日の地質学界は数度にわたり話し合いを進めたが、最終的には白紙になった。日本の学界が、日本海単独表記にこだわったからだ。

 鄭教授は「行事を準備する過程で数回、日本の地質学会や地質調査所を訪問して協議をしたが、ついに立場の差を縮めることはできなかった」とし「日本側は、自分たちの要求を受け入れないのなら行事をボイコットするという意向をそれとなく示した」と語った。

 日本の地球科学連合は昨年末、ホームページを通して「地名表記の問題により、韓国で開かれるIGCに出席することを勧めない」という告知を掲載し、日本の学界のボイコットも誘導した。実際、行事に出席する日本の研究者の規模は予想よりかなり少なかった。鄭教授は「政府研究機関や政府研究費の支援を受けている研究者はほとんどが参加せず、引退した研究者や企業所属の研究者らを中心に出席したものと把握した」と語った。

 地質学界では、今回の事態を巡り、政治的対立が学界にまで及んだ事例とみている。地質学分野のある研究者は「韓国も日本海表記について敏感だが、学問的な議論のために併記を提案して一歩引きさがった」とし「今後、学問の発展という共通の目標のために、政治的中立のための科学界の合意が必要とみられる」と語った。

 釜山の行事ボイコットを宣言した国はほかにもある。ロシアの地質学界は、所属国変更勧告に反発して声明を出し、行事不参加を宣言した。22年にIUGSは、ウクライナで戦争を起こしたロシア出身の科学者らの学会活動を制限すると決定した。これに伴い釜山IGC準備委は、今回の行事に出席するロシアの研究者らに、他の国の所属を使用するよう勧告した。ただし釜山IGC準備委は、実際にはロシアの科学者の出席について特別な制限は設けず、一部のロシアの科学者が今回の行事に出席した。

イ・ビョンチョル記者

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