▲イラスト=UTOIMAGE

 【NEWSIS】十分に加熱していない豚肉を食べ、寄生虫に感染した患者の事例が公表され、衝撃が広がっている。

 英デーリー・メールが8月28日(現地時間)に報じた。それによると米フロリダ大学のサム・ガリ博士は先日自らのX(旧ツイッター)で寄生虫に感染した「嚢虫(のうちゅう)症(Cysticercosis)」患者のCT写真を公開し、その症例などを紹介した。

 嚢虫症はサナダムシの幼虫が筋肉や脳などに寄生して発生する病状だ。一般的には十分に加熱していない肉、あるいは寄生虫の幼虫がいる食材を摂取して感染する。

 体内に入り込んだ幼虫は5-12週ほどで胃や腸の中で成虫となり、身体の他の組織などに移動する。皮膚の下に固まりの存在を感じる石灰化した嚢胞や病変が形成される。

 これはレントゲン撮影で白い楕円(だえん)形の米粒のような形で現れる。

 ガリ博士が公開した患者のCT写真でも、大腿(だいたい)骨や膝関節の下などに広がる白い楕円形の嚢胞が確認できる。

 ガリ博士は「幼虫は腸から出て血流に乗って全身に広がる。脳、目、皮下組織、骨格筋などが目的地だ」「嚢胞が脳に入る込むと頭痛や発作などの症状が現れ、ひどい場合は嚢胞を除去する手術が必要になる」と説明した。

 ガリ博士はさらに「嚢虫症は口腔(こうくう)だけでなく、大便を通じて感染することもある。感染者がトイレを使用した後に手をきれいに洗わず、複数の人と共に食事をするとか、排せつ物に汚染された水を飲んで感染することもある」として注意を呼びかけた。

 ガリ博士は「感染後は治療によりほぼ回復するが、一部で致命的な結果になることもある。毎年全世界で約5000万人が感染し、うち5万人が死亡していると推定されている」とも説明した。

 嚢虫症は脳で発病した場合は頭痛や発作に加え、精神錯乱や目まいが起こることもある。また目で発症すれば視野が曇り、視力が低下するなど眼科疾患を誘発する可能性も高い。

 これについてガリ博士は「(嚢虫症)予防には清潔な状態を維持し、常に手を洗い、生肉や十分に加熱していない豚肉を絶対に食べないこと」と呼びかけた。

チェ・ユンソ記者

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