【光州聯合ニュース】韓国の光州地裁は27日、日本による植民地時代だった戦時中に強制徴用された韓国人被害者9人(いずれも死亡)の遺族が三菱マテリアル(旧三菱鉱業)を相手取って起こした損害賠償訴訟で、原告のうち6人について一部勝訴の判決を言い渡し、3人については請求を棄却した。

 地裁は被告に対し、原告6人のうち4人に1億ウォン(約1090万円)ずつ、2人には相続分に当たる約1666万ウォン、約7647万ウォンをそれぞれ賠償するよう命じた。

 徴用被害者を支援する韓国の団体「日帝強制動員市民の集まり」によると、戦時中に日本政府の支援により軍需産業で急成長した三菱は、日本国内に27の事業所を持ち、朝鮮半島全域で37カ所の炭鉱や軍需工場を運営。朝鮮半島出身者約10万人を強制徴用したとされる。

 三菱の事業所のうち長崎市の端島炭坑(軍艦島)などを含む「明治日本の産業革命遺産」は2015年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録され、新潟県の「佐渡島の金山」も今年7月に世界遺産登録が決まった。

 日帝強制動員市民の集まりの李国彦(イ・グクオン)理事長は、端島炭坑と佐渡島の金山のいずれも旧三菱鉱業の事業場だとして「裁判所が三菱鉱業に対し司法的断罪を行ったことは相当な意味がある」と述べた。

 光州地裁ではこのほか、強制徴用された韓国人被害者の遺族19人が三菱マテリアルを相手取って起こした損害賠償訴訟の裁判も進んでいる。

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