野球
前身は在日韓国人向け民族学校の京都国際高校、甲子園球場100周年の夏に初の決勝進出 新たな歴史に挑む
全校生徒160人に過ぎない在日韓国人向けの民族学校だった京都国際高校が甲子園球場で行われる日本の全国高等学校野球選手権大会で決勝に進出する快挙を成し遂げた。3年前にベスト4で終わった涙をぬぐい、硬式野球部創設25年目にして果たした偉業だ。「東海の海 渡りし 大和の地は/偉大な我らが祖先 古の夢の場所/朝な夕なに体と徳 磨く我らの仲むつまじい巣/韓国の学園」(訳注:韓国語歌詞直訳)…試合に勝った高校の校歌を歌う慣例に従い、甲子園球場には京都国際高校の韓国語の校歌が再び鳴り響いた。
京都国際高校は21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた第106回「夏の甲子園大会」の準決勝で青森山田高校に3-2と逆転勝ちした。夏の甲子園大会の正式名称は全国高等学校野球選手権大会だ。試合が行われる場所が甲子園球場なので、夏の甲子園大会と呼ばれている。
京都国際高校は1回裏、青森山田に2点を先取され、5回まで0-2とリードされていた。しかし、6回表につかんだ一死満塁のチャンスをうまく生かして2-2の同点に追いつき、後続打者がピッチャー前ゴロを打った間に三塁ランナーがホームを踏んで3-2の逆転に成功した。その後、今大会で快投している2年生の左腕エース・西村一毅が相手打線を無失点に抑えて勝利を決めた。京都国際高校は23日、決勝で関東第一高校(東東京)を相手に初優勝に挑む。関東第一も初の決勝進出だ。西村は今回の甲子園大会で第2戦と準々決勝における連続完封勝ちに続き、21日も5イニング無失点と好投し、23イニング無失点を続けている。甲子園球場には同日、京都国際高校の生徒や保護者、卒業生など約1100人が訪れ、熱い応援を繰り広げた。地区大会で京都国際高校に敗れて甲子園出場を果たせなかった京都成章高校の野球部員たちも一緒に応援した。
京都国際高校は1999年に硬式野球部を創部した。この学校はもともと、1947年に在日僑胞(韓国・朝鮮人)団体が民族教育のために建てた京都朝鮮中学として開校した。1958年に京都韓国学園として再編され、韓国政府の認可を受けた。1990年代後半、生徒数が約70人にまで減ると、廃校を避けようと硬式野球部を作り、日本人の生徒たちを多数受け入れて、韓日連合学校兼野球に特化した国際学校に生まれ変わった。在校生のほとんどが野球部またはK-POPなど韓国文化に対する憧れを抱いて入学したという。野球部員61人はほとんどが日本人だ。国際高校になったが、韓国語・英語・日本語のうち韓国語の授業時間数が最も多く、在校生は年4-5回ずつ韓国を訪問する。日本人の生徒たちが韓国語の校歌に不便を感じるのではないかと心配し、変えようかと悩んだが、アンケートの結果、「韓国が好きで入学したのに、なぜ韓国語の校歌を変えるのか」という反応があったため、韓国語のままにしているという。
夏の甲子園大会は、日本全国の野球部がある高校約3700校のうち、熾烈(しれつ)な地区大会を勝ち抜いた49校が出場して優勝を争う。約75倍という競争率を勝ち抜かなければならないため、甲子園大会への出場そのものを高校野球の選手たちは夢にしている。京都国際高校は今回が3回目の甲子園大会出場だ。2021年に初めて夏の甲子園大会に出場してベスト4まで進んだが、その3年後に決勝進出を果たした。今大会では第1戦7-3、第2戦4-0、第3戦4-0、準々決勝4-0と勝ち上がり、準決勝で3-2の逆転勝ちと勢いに乗っている。準決勝前までの4試合では、いずれも2けた安打を出した。
京都国際高校が23日の決勝で勝ち、夏の甲子園大会を制覇すれば、甲子園球場開場100周年大会で優勝するという歴史的な意義も持つことになる。関東第一高校と京都国際高校の対戦について、日本の報道機関は「新旧首都対決」「長い日本の高校野球の歴史で、現首都のチームと旧首都(京都)のチームが対決するのは初めて」と書いている。また、「韓国メディアの関心は京都国際の校歌の放送に集まっている」という報道もあった。
ペ・ジュンヨン記者