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解放記念日式典が異例の「分裂」 与野党が非難の応酬=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は15日、日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」を迎え、ソウルの世宗文化会館で記念式典を開催した。式典には独立功労者の遺族や各界の要人、駐韓外交団など約2000人が出席したが、独立運動に関する遺物や資料を保存・展示する独立記念館の館長人事に反発する一部の関連団体と、最大野党「共に民主党」をはじめとする野党関係者は欠席し、独自に式典を開いた。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は演説で「国権を侵奪されてから今日に至るまで、わが国民は実に偉大な歴史を残してきた」とし、「われわれの光復(解放)は自由に向けた闘争の結実だった」と述べた。また、「分断体制が続く限り光復は未完成」として、南北統一に向けた新たな戦略を提示した。
独立功労者と遺族でつくる「光復会」の会長が式典に出席しなかったため、代わりに演説を行った「殉国先烈遺族会」のイ・ドンイル会長は「われわれがより良い未来を子孫に引き継ごう」として「対立と反目を終わらせよう」と強調した。
政界からは、与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表と秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表など与党の国会議員約50人が出席。野党からは「改革新党」の許垠娥(ホ・ウナ)代表のみが出席した。
政府の式典と同時刻に、光復会などの団体は約3.4キロ離れたソウル・孝昌公園内の白凡金九記念館で独自の式典を開いた。光復会の李鍾贊(イ・ジョンチャン)会長は演説で「近ごろ真実に対する歪曲(わいきょく)と親日史観に染まった低劣な歴史認識が幅をきかせ、韓国社会を混乱に陥れている」と述べ、独立記念館の館長人事に抗議するために式典を政府とは別に開催したと説明した。
式典には光復会の会員や独立運動家の遺族など約350人のほか、最大野党「共に民主党」や野党「祖国革新党」「基本所得党」などの関係者約100人も出席した。
共に民主党の朴贊大(パク・チャンデ)代表職務代行はこの日出した声明で「尹錫悦政権が行っている『歴史クーデター』で独立闘争の歴史が否定され、韓国のアイデンティティーが根本から揺らいでいる」と批判した。
一方、国民の力の首席報道官は論評で、野党関係者が政府の式典を欠席したことについて「対立と分裂を助長する政治的扇動に余念がない」と指摘。消耗的な政争をやめ、統合と和合の道に進むよう促した。