2024年パリ五輪で中国は金メダル40個(銀メダル27個・銅メダル24個)でメダル数総合ランキング2位、日本は金20個(銀12個・銅13個)で同3位だった。韓国は金13個(銀9個・銅10個)で8位となり、「アジア・ビッグ3」が総合ランキング10位以内にそろって入った。韓国は2020年(2021年開催)東京五輪で同16位だったが、「スポーツ強国」としての地位を取り戻した。ただし、韓国はアーチェリー5種目で金メダルを5個、射撃で想定外の金メダル3個を獲得したのが大きかった。競技の裾野が広く、しかも厚い中国や日本とはやや違う。

■「飛び込み強国」中国 競技の多角化に成功

 中国は米国(金40個・銀44個・銅42個)と最後まで1位の座を争った。米国は今回の五輪における最後の試合だったバスケットボール女子決勝で開催国フランスを67-66と1点差で下し、五輪8連覇を達成して中国を上回った。中国は2008年北京五輪の1位以降で最も多くの金メダルをパリで獲得した。伝統的なメダル量産競技の飛び込み(金8個)と卓球(金5個)では全種目を制覇した。飛び込みや卓球ではこれまで蓄積されてきた経験がある上、第1世代のスター選手たちがコーチや監督を務めるようになり、その経験を譲るという、いわゆる「成功の好循環」だと評価されている。有望選手を早期に発掘し、「成功世代」のノウハウを取り入れてエリート選手を育成するプログラムは他の追随を許さない。

 射撃と重量挙げでもそれぞれ金メダルを5個獲得した。アーティスティックスイミングでの金メダルは2つとも中国が取った。同競技で最強のロシアがウクライナに侵攻し、五輪出場が禁止されたことが影響した。中国は13の競技で金メダルを獲得した(メダル獲得種目は21)。特に、潘展楽(20)が競泳男子100メートル自由形で世界記録を更新して優勝(46秒40)したシーンが印象的だった。男子自由形短距離はアジアの選手が勝てないと言われてきたからだ。潘展楽は地上でトレーニングをする時は外国人トレーナーの指導を受け、水中カメラを利用してフレーム単位で泳法を分析した後、矯正する科学的サポートを納得がいくまで受けた。鄭欽文(21)は男女合わせアジアの選手としては初めて五輪テニス・シングルスの金メダリストになった。

■日本は学校体育と国の支援が調和

 日本は東京五輪に続いて2大会連続でメダル数総合ランキング3位だった。メダルを獲得したのは合計16競技で、メダル量産が期待された柔道(金3・銀2・銅3)は予想外に不振だったものの、レスリングで金メダル8個(男女それぞれ4個)をさらった。前回の東京五輪(金5個)より成績が良かった。日本はレスリング女子(フリースタイルのみ実施)が2004年アテネ五輪で正式種目に採用される前から有望選手の発掘に力を入れてきた。約20年前の1980年代半ばから幼稚園児を対象にしたクラブを作り、裾野を広げてきた。4大会連続で五輪を制覇した伊調馨、日本レスリング界一のスター選手・吉田沙保里はこの時発掘された第1世代レスラーだ。2016年リオデジャネイロ五輪のレスリングで金4個・銀3個を獲得した日本は、東京で10個を獲得するという目標を立てたが、そうした投資の成果は今回のパリ五輪で実った。

 陸上女子やり投げの北口榛花は同競技で、日本オリンピック史上初の陸上(トラック・フィールド)女子金メダリストになった。北口は2019年からチェコなど競技が盛んな欧州で集中トレーニングを行い、実力を養ってきた。昨年の世界陸上競技選手権で優勝するなど、ここ1-2年で急成長した。

 日本は若くてダイナミックな新しいスポーツでも強い。スケートボードで金メダル2個(銀2個)を取り、同競技が初めて行われた東京五輪(金3・銀1・銅1)での善戦を引き継いだ。スケートボード女子ストリートの金メダリスト・吉沢恋は来月で満15歳になる若い選手だ。

 日本は五輪で不振が続くと、2010年に「スポーツ立国戦略」という活性化政策を立てた。そして翌年にはスポーツ基本法を作り、5年単位の計画を通じて競技力強化に着手した。2015年には文部科学省スポーツ・青少年局をスポーツ庁に格上げし、エリート・スポーツ育成に投資した。2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪ではメダル数で韓国にリードされていた日本だが、2016年リオ五輪以降は韓国を上回っている。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者、ヤン・スンス記者

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