▲2024年パリ五輪が開催されたフランス・パリのエッフェル塔に掲げられた五輪マークのオブジェ。写真=news 1

 2024年パリ五輪が幕を閉じた。次の五輪大会まであと4年もあって待ち遠しいという思いから、朝鮮日報国際部では五輪をあらためて振り返った。今回も獲得メダル数総合ランキングでは米国と中国が1位と2位を占めたが、種目別や国家別などさまざまな基準に当てはめると新たな一面が明らかになった。

 総合ランキングは8位だったものの、韓国は「武器」を使った種目では世界最強だった。射撃(銃)・フェンシング(刀)・アーチェリー(弓)などの種目を合わせると金メダル10個を獲得した。特にアーチェリーでは男女個人と男女団体、そして混合団体の金メダル5個を総なめした。中国が金メダル5個で「武器」種目2位に、米国が金メダル3個で同3位だった。

 一方、武器を使わない格闘技種目(テコンドー・柔道・レスリング)では日本が圧倒的に強かった。日本はレスリングだけで金メダル8個を取り、柔道でも金メダル3個を獲得して「柔道宗主国」のプライドを守った。 続いてウズベキスタンがボクシングで金メダル5個、テコンドーで1個を取り、2位だった。

 球技種目と審査員の採点でメダルが決まる種目(飛び込み・体操など)では「万里の長城」の壁が高かった。中国は卓球を筆頭にバドミントン・テニスといった球技種目だけで金メダル8個を手にした。採点制種目では飛び込みでの金メダル8個をすべて獲得し、合計14個を手に入れた。米国は世界最強の「ドリームチーム」で臨んだバスケットボール男女でトップに立ち、ゴルフ男子とサッカー女子で金メダルを追加するなど、球技種目2位になった。

 五輪獲得メダル数総合ランキングには各国の人口や経済規模がある程度影響を及ぼすが、それが絶対的だとは言えない。人口1000万人以下の国々も今回の五輪で底力を発揮した。 人口526万人のニュージーランドはカヌー(金メダル4個)を含め、自転車・ゴルフ女子・7人制ラグビーなど8種目で金メダルを10個取り、総合11位になった。ハンガリー(人口999万人)も競泳・フェンシング・近代五種・テコンドーで金メダル6個を獲得した。1人当たりの国内総生産(GDP)が1万ドル(約147万円)以下の国の中ではウズベキスタンが金メダル8個を獲得し、総合ランキング13位に入るなど気炎を揚げた。

 今回の五輪は国際情勢が荒れる中で開催された。「平和の祭典」と言われる五輪だが、自由主義陣営と権威主義陣営の間における新冷戦、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘などにより、五輪大会中も緊張状態が続いた。

 開幕1週目だった先月31日、ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏がイランの首都テヘランで暗殺され、全世界のイスラム圏国家が動揺した。パリではイスラエルの選手とイスラム圏国家出身選手の間で衝突が起きたりもした。イスラム圏国家の成績を見ると、ウズベキスタンに次いでイラン(金メダル3個)が良かった。トルコとイランの間にあるカスピ海沿岸国アゼルバイジャンは柔道だけで金メダル2個を獲得し、世界でムスリム(イスラム教徒)人口が最も多いインドネシアはスポーツクライミングと重量挙げで金メダル2個を手にした。

 戦争をしている国(内戦を含む)の中で最も良い成績を収めたのはウクライナだった。過去最小人数(100人)の選手団を送らざるを得なかったが、フェンシング・ボクシング・走り高跳びで金メダル3個を取った。五輪期間中、テロの脅威に苦しんだイスラエルは、ヨットで金メダルを手にした。昨年4月から政府軍と反政府勢力の衝突が絶えないエチオピアはマラソンで「強国」であることを証明した。マラソン男子では金メダル、女子では銀メダルを獲得した。

キム・ジウォン記者

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