▲イラスト=UTOIMAGE

 オーストラリアのある韓国系住民が所有するすしチェーンが従業員に賃金を支払わなかったとして、約138億ウォン(約14億6000万円)の罰金支払いが命じられた。賃金不払いに関する罰金では過去最高額だという。

 オーストラリアABC放送が報じた。それによるとオーストラリア連邦裁判所は5日(現地時間)、オーストラリアのすしチェーン「Sushi Bay」の4店舗に対し1370万豪ドル(約13億円)、会社のオーナーに対し160万豪ドル(約1億5000万円)の罰金支払いを命じた。また被害者となった全従業員に滞納した賃金の支払いを命じた。

 Sushi Bayは2016年2月から20年1月まで163人の従業員に65万豪ドル(約6200万円)以上の賃金を支払わなかった疑いがある。主な被害者はワーキングホリデーや就業ビザで働く25歳以下の韓国人だった。裁判所によると、被害者らは少なくとも48豪ドル(約4600円)から最大で8万3968豪ドル(約798万円)を受け取っていないという。

 今回の罰金額は賃金不払いによる罰金では過去最高水準だという。Sushi Bayは2019年度にも同じ問題で罰金刑が命じられたが、立場の弱い移住労働者を意図して繰り返し搾取したことから罰金が巨額になったようだ。

 オーストラリアの労働関連制度である公正労働システム(Fair Work System)のコンプライアンスを監視するフェアワーク・オンブズマン(FWO)は、Sushi Bayの2人の従業員から賃金不払いに関する相談を受けた。FWOが全店舗を対象に大がかりな調査を行ったところ、Sushi Bayが組織的に外国人従業員を搾取していた事実を把握し、連邦裁判所に訴えを起こした。

 FWOによると、Sushi Bayは時給を現金で支払ったが最低賃金は守っていなかった。また超過勤務手当や休日手当、年休手当も支払わなかった。飲食店が就業ビザの保証を行う場合、その見返りに賃金の一部を受け取ることはある。Sushi Bayは一連の事実を隠蔽(いんぺい)するため、給与明細書などの記録も偽造してきたという。

 現在オーストラリアのSushi Bayのほぼ全ての店舗は休業中で、会社清算人が管理するシドニー店だけが営業を続けているという。

 今回の事件について担当の判事は「移住労働者を搾取し、その事実を隠そうとした。非常に厚かましかったが、最終的に失敗した」「あまりに多くの違反行為が、故意に、意図的に行われていた」と指摘した。

チョン・アイム記者

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