▲聯合ニュース

 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が7日、民間人の最近購入した金大中(キム・デジュン)元大統領の私邸を国費など公金で購入して文化遺産にしよう、と提案した。

 私邸がある麻浦区東橋洞が選挙地盤の鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員は「国費やソウル市費、必要なら麻浦区費を足して購入し、公共空間にして文化遺産化することを提案する」と述べた。

 しかし、この私邸は既に2020年、文化財委員会の審議で「条件未達」により否決されていたことが確認された。

 ソウル市側は、TV朝鮮の電話取材に対し「2020年に金・元大統領の三男で当該私邸の所有者だった金弘傑(キム・ホンゴル)元議員が、ソウル市に私邸の買い入れと文化遺産登録を要請し、当時の文化財委員会が審議を行った」と回答した。

 しかし「近現代遺産の場合、建立から50年が経過していなければならないが、登記上は02年に建てられたものと出ていて条件を充足しておらず、否決された」と説明した。

 また、私邸に根抵当権が設定されていたことも買い入れ不可の事由だったことが分かった。

 登記簿謄本によると、私邸は19年に金・元議員に相続された後、20年から金・元議員名義でおよそ24億ウォン(現在のレートで約2億6000万円)相当の根抵当権が設定された。以前にも、李姫鎬(イ・ヒホ)さん=金・元大統領夫人=名義で7億2000万ウォン(約7700万円)、金・元議員夫人名義で3億7000万ウォン(約3900万円)相当の根抵当権が組んであった。

 24年7月に民間人3人が共同名義で購入した後、この根抵当は全て抹消され、その後は個人名義で96億ウォン(約10億2000万円)相当の根抵当権が新たに発生した。

 金・元議員による文化遺産申請から2年後の22年にも、金・元大統領の次男の金弘業(キム・ホンオプ)氏がソウル市に再び買い入れと文化遺産登録を問い合わせていたことも確認された。

 しかしこのときもソウル市は、既に20年に文化財委員会で不可判定を下したという事実を金氏に伝えたという。

 民主党も、文化遺産登録不発の事実を知っていたことが分かった。民主党の関係者は、TV朝鮮の取材に対し「金・元議員が相続税の問題で売ったから、税金を代わりに出してやることもできず、当面は良い手がない状況」と語った。既に私邸の取引価格が100億ウォン(約10億7000万円)に迫っていることも問題に挙げた。

 こうした状況下、李洛淵(イ・ナクヨン)元議員など野党側で「民主党が東橋洞の私邸購入を放置していた」と問題提起があったことから、民主党は今頃になって国費やソウル市の予算などに言及して収拾に乗り出したのだ。

 しかし、購入者側に手放す考えはないと伝えられている。

 なお、ソウル市は「私人の名義になっている建物も文化遺産として登録することはできる」とした。

チェ・ジウォン記者

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