▲7日、仁川空港に到着した大韓バドミントン協会のキム・テクギュ会長=写真左=と安洗塋(アン・セヨン、22)=同右=。写真=聯合ニュース、チャン・リョンソン記者

 パリ五輪のバドミントン女子シングルスで韓国に28年ぶりの金メダルをもたらした安洗塋(アン・セヨン、22)=サムスン生命=が7日、仁川空港に到着・帰国した。金メダルを取った直後に大韓バドミントン協会による選手管理のずさんさなどの問題点を指摘し、「韓国代表チームと共にするのは難しいかもしれない」と言った安洗塋だが、この日は「争う意図ではなく競技だけに専念したい気持ちを訴えるため、理解してほしいという気持ちで申し上げた。詳しいことは相談した上で話す」と言った。

 安洗塋と同じ飛行機で帰国する予定だったが、便を変更して数時間前に到着した大韓バドミントン協会のキム・テクギュ会長は「確執はなかった。なぜそのような発言をしたのか確認してみる」と言った。その後、同協会は「安洗塋問題」に関する見解をA4用紙10枚にまとめた報道資料を配布した。

■協会は安洗塋のケガを放置したのか

 昨年の杭州アジア大会で膝を負傷した安洗塋は「ケガは深刻だった。安易に考える協会に失望した」「協会はケガの程度を誤診した」と主張した。当初は「2-6週間のリハビリを経れば復帰できる」と診断されていたが、痛みがなくならず、再び診察を受けたところ、「パリ五輪までに完全に回復するのは難しい」との所見が出たという。これに対して協会は「昨年10月8日に杭州から帰国した後、安洗塋は個人的に病院でMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けた。翌日、代表チームのトレーナーと一緒に整形外科を訪れ、MRI検査画像を基に診断を受けた」「右膝の膝蓋腱(しつがいけん)の部分破裂により2週間は絶対安静が必要で、リハビリまで4週間かかるとの診断を受けた」としている。協会はまた、「病院では『11月に予定されている大会の参加は難しい』と言ったが、選手本人の強い意志で出場した」とも話した。金学均(キム・ハクギュン)韓国代表監督が「無理して出場する必要はなく、リハビリに集中しろ」と書いて送ったメッセージまで公開した。

 安洗塋はパリ五輪直前、現地トレーニング・キャンプでも足首を負傷した。安洗塋側は「コーチング・スタッフはケガしたことが公にならないよう、隠すのに必死だった」と主張したが、協会は「安洗塋が『どうせ試合をしなければならないのだから、MRIは撮影しない。(負傷の程度を)知っている方がもっと不安だと思う』と言った」と主張した。

 安洗塋は自身の担当だったハン・スジョン・トレーナーがパリに同行できなかったことにも強い不満を抱いていると言った。これに対して協会は「6月30日付で契約が終了したため、五輪まで契約延長を提案したが、同トレーナーが断った」と述べた。

■「個人資格の出場は認めない」

 安洗塋は代表チームを離れ、個人の資格で今後の国際大会や五輪に出場する意思をほのめかした。しかし規定上、個人の資格で国際大会に出場するには、韓国代表歴5年以上で、女子は27歳以上でなければならない。22歳の安洗塋がプレーするには、訴訟が避けられないものとみられる。協会は「規定が無視された場合、韓国代表選手たちが代表を離脱する懸念が非常に高く、運営が難しくなる」と言った。また、「規定を満たしていなくても、韓国代表チームの要請があれば大会参加が認められる」という例外規定もあるが、安洗塋に対してこの規定を適用することはないとの意思を表明したことになる。

 安洗塋は、韓国代表チームでシングルスの選手とダブルスの選手で区別のない練習方法や、ダブルスの選手中心の運営などについても批判した。協会は「練習方式や体力運動プログラムを綿密に調査する」「個人トレーナーを使いたいという(安洗塋の)意見が公式に伝えられてきたことはない。事実関係を把握する」と述べた。

パリ=キム・ヨンジュン記者、仁川=ヤン・スンス記者

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