【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル南部地検は5日、麻薬類管理法違反などの罪で名門大の大学院生でインターカレッジサークル会長の30代の男と20代の会員3人の計4人を起訴し、2人を在宅起訴したと発表した。同サークルに関連して薬物を使用した大学生8人については条件付きの起訴猶予処分とした。会長を除いた5人はいずれも名門大の学生で2022年12月から約1年にわたり、違法薬物を購入して十数回使用していたとされる。

 首都圏の大学を中心に数百人が所属する同サークルでは、違法薬物の流通や使用が行われており、会長の30代の男は国立の名門大である韓国科学技術院(KAIST)の大学院生だった。

 会長の30代の男はサークルで知り合った女性に対して数回暴行するとともに、性行為を無断で撮影し、流布すると脅迫した罪などでも起訴された。

 検察によると、会長の男は延世大を卒業後、KAISTの大学院に通っていた2021年に親睦目的のサークルを結成し、交流サイト(SNS)で「サークルに加入すれば高級外車やホテルなどを無料または低価格で利用できる」と広報した。

 また違法薬物を売って得た利益により、高級ホテルなどで豪華パーティーを開いて会員を勧誘し、短期間に会員の数を300人まで増やした。

 会員の中にはソウル大、高麗大などの名門大の学生が多数含まれていた。

 会長が面接で自ら会員を選抜し、ソウルにたまり場のようなマンションを備えるなど体系的にサークルを運営した。

 会長は参加率が高い会員と個別に会って液状大麻を勧め、応じた人には合成麻薬のMDMAやLSDなどを提供した。

 ただ薬物の使用はサークル設立当初の目的ではなく、会長が22年11月に初めて違法薬物を使用してから、親しいサークル役員らに勧め、やがて拡大していったものとみられている。

 当初は会長自身が薬物を購入し使用していただけだったが、その後、会員らに違法薬物を売って利益を出す犯罪に発展した。会長とサークル役員は共同購入した違法薬物を約2倍の価格で一般会員に転売していたとされる。

 検察は会長が昨年だけで1200万ウォン(約125万円)の暗号資産(仮想通貨)を利用して違法薬物を購入したとみて、電子財布を凍結し、犯罪で得た収益を確保した。購入した薬物はこれよりもはるかに多いとみて捜査を続けている。

 検察は今回起訴または起訴猶予処分を受けた計14人以外の会員についても薬物使用などがなかったか捜査を進めている。

 検察は会長を含め約9000人が、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使用して捜査に備えていたことを確認している。

 検察は先ごろ、別の違法薬物使用の罪で起訴された会長の口座から不審な取引内容を確認し、捜査を拡大した結果、首都圏の13大学で同サークルに関連した違法薬物犯罪の全貌が明らかになったと説明していた。

 起訴猶予処分になった8人は、法務部、保健福祉部、食品医薬品安全処が運営する薬物依存克服プログラムに参加する。

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