▲イラスト=UTOIMAGE

 XY染色体(男性の染色体)を持つ台湾のボクシング選手リン・ユーチン(28)が議論が高まる中、2024パリオリンピック初戦で勝利を飾った。リン・ユーチンは2日(韓国時間)にフランス・パリで開催されたオリンピック女子ボクシング57キロ級の1回戦でウズベキスタンのシトラ・トゥルディベコワに5-0の判定勝ちを収め準々決勝に進出した。

 リン・ユーチンはリングを後にする前に観客に大きく礼をした。控え室に向かう際にはファンに手を振りながら胸に手をあて、一部のファンと抱き合ったりもした。

 相手のトゥルディベコワは控え室に向かいながら涙を流した。

 今月4日にリン・ユーチンはブルガリアのスベトラーナ・スタネバ(34)と準々決勝で対戦する。

 スタネバとリン・ユーチンの対戦は今回が初めてではない。

 スタネバは昨年インドのニューデリーで開催された世界選手権でリン・ユーチンに接戦の末敗れた。しかし国際ボクシング協会(IBA)はリン・ユーチンが性別検査で不合格だったとして失格とし、リン・ユーチンは銅メダルもはく奪された。

 IBAのウマル・クレムレフ会長は当時「DNA検査の結果、XY染色体を持つことが確認されたので失格とした」と説明した。

 これに対して国際オリンピック委員会(IOC)は先月「リン・ユーチンはIOCの全てのルールを守っている。パリオリンピックには通常通り出場する」と発表した。

 1日に行われた女子ボクシング66キロ級の2回戦ではXY染色体を持つアルジェリアのイマネ・カリフ(26)がイタリアのアンジェラ・カリニ(26)に勝った。カリニが開始46秒で棄権したためだ。IOCは性別の基準を染色体ではなくパスポートにすべきと表明し、波紋はさらに広がっている。

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