国際総合
「222㎝対167㎝」 身長差はねのけ延長死闘、惜敗するも底力を見せた日本男子バスケ パリ五輪
パリ五輪のバスケットボール男子予選リーグで、昨季NBA(米プロバスケットボール)で最優秀新人賞を受賞したビクター・ウェンバンヤマを擁するフランス代表が日本代表と対戦し、延長戦の末にかろうじて勝利を収めた。
フランスは7月30日(現地時間)、リールのピエール・モロワ競技場で行われた予選リーグB組第2戦で日本を94-90で破った。第4クオーターまでで決着がつかず延長戦に突入し、フランスがかろうじて勝利をもぎ取った。これで開催国フランスはブラジル戦に続いて2連勝となり、8チームで行われる決勝トーナメント進出が確定。日本はドイツ戦での敗戦に続き2敗となり、ブラジルとの最終戦に決勝トーナメント進出が懸かっている。
ウェンバンヤマは怪我にもかかわらず31分間コートでプレーし、18得点、11リバウンド、6アシストをマークしてチームを勝利に導いた。さらにマシュー・ストラゼル(17点)、エバン・フォーニエ(14点)も加勢した。
日本は172センチの小柄なポイントガード、河村勇輝が29点を挙げた。NBAのロサンゼルス・レイカーズでプレーする八村塁は24得点だった。しかし八村が第4クオーターの序盤に2回目のアンスポーツマンライクファウル(故意ファウル)を取られて退場となり、日本に暗雲が漂った。
第4クオーター終了16秒前、80-84でリードされていたフランスがストラゼルの3点シュートとフリースローで同点に追い付き、試合は延長戦に突入。延長序盤の3分20秒間でウェンバンヤマが8点をマークすると、ストラゼルも加勢して最終的に94-90と試合をひっくり返し、勝利を収めた。
ウェンバンヤマは試合後「日本はアンダードッグのようにプレーした」「延長戦では先に攻撃しなければと考え、それがうまくいったと思う」とコメントした。
この試合で日本は、身長差を乗り越えてフランスを延長まで追い詰めるという底力を見せた。国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、日本の富樫勇樹は167センチで今大会の出場選手の中で最も背が低く、一方でフランスのウェンバンヤマは222センチで最も長身だ。2人の身長差は55センチに達する。日本の河村勇輝は出場選手中2番目に背が低い。
この日の試合でも、富樫とウェンバンヤマの身長差が注目された。FIBAは同日、X(旧ツイッター)で、試合中に富樫がウェンバンヤマと対峙(たいじ)する写真を投稿し「男子バスケ選手の中でウェンビーが最長身で、富樫が最も小さい」と説明。写真でウェンバンヤマは背中をピンと伸ばして立っているが、富樫の方はやや腰をかがめているため、2人の身長差がいっそう際立っている。ただし富樫とウェンバンヤマが1対1で競り合う場面はこの日の試合では捉えられなかった。
イ・ヘジン記者