▲イラスト=UTOIMAGE

 バルト海に沈んだ沈没船から100本以上のシャンパンが次々と発見された。いずれも高級ブランド品で、沈没から170年以上過ぎた今も試飲可能として期待が高まっている。

 英BBC放送など複数の外信が30日(現地時間)に報じた。それによるとポーランドの潜水チーム「バルチテック」は先日スウェーデンのオーランド島から南に約37キロ離れた海底で、19世紀中盤のものとみられる1隻の沈没船を発見した。バルト海の水深60メートルに眠っていたこの沈没船は比較的原形をとどめていたが、所有主や沈没原因などについては現時点で正確な情報はないという。

 中でも注目を集めているのはシャンパンやミネラルウオーターなどが次々と出てきたことだ。ミネラルウオーターのラベルを調べたところ、今も存在するドイツの鉱泉水ブランド「ゼルタース(Selters)」が1850年から67年まで製造したのものだった。ゼルタースのミネラルウオーターは当時王室にも献上されるほど高価だったという。

 同時に発見されたシャンパンも「皇帝のシャンパン」と呼ばれる高級ブランド「ルイ・ロデレール(Louis Roederer)」だった。ルイ・ロデレールもゼルタースと同じく貴重品とされており、運搬の際には警察の護衛を受けるほどだった。そのため専門家はこの沈没船について「ロシアのツァーあるいはスウェーデン王室に向かっていたのでは」と推測している。

 バルチテックは「ミネラルウオーターのラベルのおかげで沈没した時期を推定できた」とした上で「沈没船は船首の一部が多少損傷しているが、それ以外はほぼ現状をとどめている」「シャンパン、ミネラルウオーター、陶磁器などを発見した時、この沈没船が多くの宝物を積んでいたことが分かった」とコメントしている。

 これらのシャンパンとミネラルウォーターはおよそ170年もの歳月を海底で過ごしたが、保存状態が良好なため、「今も飲めるのでは」との期待も高まっている。英オークション会社ドレウィッツ(Dreweatts)のワインコンサルタント、マーク・ロバートソン氏は「非常に冷たい一定の温度で長い間保管されてきたため、競売では大きな関心を引くだろう」と予想した。

 もしツァーのため特別に製造された最高級品だった場合、その価値はさらに高まる可能性も考えられる。2011年にバルト海で引き上げられた約170年前のシャンパン1本も競売にかかり、14万5000ドル(現在のレートで約2200万円)で落札された。

ムン・ジヨン記者

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