▲イラスト=UTOIMAGE

 【NEWSIS】中国で、人の顔そっくりに作られた「シリコン顔面マスク」を着用し、別人になりすまして窃盗を働くケースが続出している。

 中国国営の中国中央テレビ(CCTV)などが21日に報じたところによると、今年上半期に中国の上海、徐州、江蘇省などでシリコンマスクをかぶって民家に侵入し、盗みを働いたケースが多数報告された。

 今月初めには上海で、老人顔のシリコンマスクをかぶった男が住宅4軒に侵入し、10万元(約210万円)相当の貴重品を盗んだ疑いで警察に逮捕された。

 上海の公安(警察)はCCTVに対し「黒いコートを着てマスクをかぶった男がこの団地に入って来た。しかし、おかしなことにこの男が出ていく様子は画面に映っていなかった」と話した。

 今年6月には江蘇省でもシリコンマスクを着用して民家に侵入し、現金やデジタル機器などを盗んだ容疑者が警察に逮捕された。

 調査の結果、二つの事件の容疑者は共に、インターネットで購入したシリコンマスクを犯行時に着用していたことが分かった。

 当局は「最近、シリコンマスクやウィッグ、ヘルメットなどで変装した形の犯罪が増えており、例年の3-4倍に達している」と明らかにした。

 実際に、淘宝(タオバオ)など中国のeコマースサイトで「シリコンマスク」などと検索すると、関連商品が多数表示される。

 販売されているマスクは数十元から高い物では数万元に達する。

 高級なマスクはカスタムオーダーも可能だ。安いマスクは顔認識システムを通らないケースが多いが、数万元の高価なマスクは、精度の低い顔認識システムであれば突破できるとメディアは説明している。

 シリコンマスクを着用して顔認識システムを通過するのは容易ではないが、業界関係者らは。当局が高水準のシミュレーションを基にシリコンマスクと製造企業を登録し、対策を検討すべきと指摘した。

 また、マスクが犯罪に使われるのを防ぐために、ECサイトでのマスク販売について監督を強化すべきだとの指摘も上がった。

パク・ウンヨン記者

ホーム TOP