▲TV朝鮮の放送画面より

 韓国の教会で今年5月、信者と合唱団長による虐待が原因で女子高生が死亡するという事件があった。死亡した女子高生は睡眠もろくに取れないまま聖書の書き写しや階段上りなどの残酷な行為を強要されていたことが分かった。

 韓国与党「国民の力」の劉相凡(ユ・サンボム)議員室が検察から入手した公訴状によると、この女子高生(17)は双極性感情障害で精神科の治療が必要な状態だったが、今年2月14日に病院ではなく教会に預けられた。

 これは女子高生の母親が、女子高生の精神疾患の治療について教会の信者たちと話し合った結果、教会側が「教会の合唱団が娘の治療を受け持つ」と言ったたからだ。

 しかし、教会設立者の娘である合唱団長(52、女性)は、信者(54)の女性に「暴れたり言いつけを守らなかったりしたら精神をたたき直せ」と事実上の虐待を指示し、状況を報告させた。

 女子高生は教会に到着すると「ここから逃げたい。いっそ精神病院に入れてほしい」と哀願したが、教会の信者らは女子高生を教会に監禁し、逃げないよう監視を続けた。

 また、病院での治療が必要な症状が見られるにもかかわらず、女子高生の体を縛るなど悪質な行為を繰り返した。

 さらに、5日間にわたって全く睡眠が取れていない女子高生に対し、強制的に聖書を書き写させた上、1時間にわたって地下1階から地上7階まで階段の上り下りを命じたりしていた。

 合唱団長はこの状況の報告を受けても、信者の女性に「余裕を与えては駄目で、手を緩めても駄目」「厳しく怒鳴りつけろ」などと指示し、虐待行為を続けさせた。

 虐待が続くと女子高生は健康状態が悪化し、5月4日には失禁するようになり、同月6日には食べ物も水も一切口にできなくなった。

 合唱団長は報告を受けて自ら女子高生の状態を確認したが、それでも治療を受けさせなかった。

 逆に合唱団長らは女子高生をさらに強く縛り付けるために、認知症患者用の拘束バンドを購入した。

 また、インターネットのポータルサイトで「体の急所」「病院 発作のときに縛るひも」「精神病院 むち打ち」と検索するなど、女子高生をさらに残酷に虐待する方法を調べていた。

 虐待を受け続けた女子高生は5月15日午後8時ごろ意識を失って倒れ、救急車で病院に搬送されたが4時間後に死亡した。

カン・サング記者

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