▲イラスト=UTOIMAGE

 韓国の高速道路で相手の車の車線変更に不満を抱き、17秒間にわたって相手の車の前で停止して走行を妨げる報復運転を行って死傷事故を起こした40代の男に対して、懲役5年が確定した。

 法曹関係者が23日に明らかにしたところによると、大法院(最高裁に相当)第3部は、一般交通妨害致死および一般交通妨害致傷、特殊脅迫の罪で裁判にかけられたA被告(40)の上告を棄却し、原審で言い渡された懲役5年を確定させた。被告は昨年3月24日午後5時10分ごろ、京釜高速道路ソウル方面の北天安インターチェンジ付近の第5車線で自分の乗用車を1トントラックの前に停車させ、3重追突事故を引き起こし、死傷者を発生させた罪に問われた。

 被告は当時、第4車線で走行中だった1トントラックが自分の乗用車の前に割り込んだことに腹を立て、トラックを追い越しておよそ17秒間車を止めた。トラックは衝突事故を避けようと急ブレーキを踏み、後続していた別のトラック3台が相次いで追突、1人が死亡して2人がけがをした。被告は事故後に現場を離れたが、後に警察に摘発された。

 一審裁判部は被告に懲役5年を言い渡した。裁判部は「高速道路での急停車が衝突事故を誘発しかねないことは一般人も予見し得る」とし、被告は過去にも7重連鎖衝突事故を引き起こした前歴があり、反省の態度を見せなかった」と判示した。被告と検察はどちらも一審判決を不服として控訴した。

 控訴審の裁判部は、一審の宣告を維持しつつ「犯行を自白したが、幾つかの事項を考慮すると、真に反省しているかどうか疑問がある」とし「判決の言い渡し前日、死亡した被害者の遺族のために2000万ウォン(現在のレートで約225万円。以下同じ)、傷害の被害者に100万ウォン(約11万2000円)の刑事供託をしたが、被害者からは許されなかった」と指摘した。被告はこれを不服として上告したが、大法院も被告の上告を棄却し、原審を確定させた。

イ・ヘジン記者

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