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韓国亡命の元北朝鮮外交官「海外で昨年数十人が脱北試み」 北はトランプ氏再選期待
【ソウル聯合ニュース】昨年11月に韓国に亡命した元在キューバ北朝鮮大使館参事官のリ・イルギュ氏は23日、聯合ニュースとのインタビューに応じ、昨年3月から4月にかけて北朝鮮で国境が再開放される動きがあったことを受け、外交官をはじめ海外に滞在している数十人が脱北を試みたと明らかにした。
脱北に成功した人のほうが少し多いものの、失敗して北朝鮮に送還された人も少なくないという。昨年ロシア極東ウラジオストクの北朝鮮総領事館職員の妻と息子が行方不明になったと報じられた件について、この母子は脱北に失敗して北朝鮮に送還されたと伝えた。
在キューバ北朝鮮大使館の政務参事官だったリ氏は妻子とともに昨年11月に韓国に亡命していたことが先ごろ明らかになった。北朝鮮の代表的な友好国だったキューバは今年2月に韓国との国交を樹立した。
リ氏はキューバ滞在中、韓国とキューバの国交樹立を阻止するため本部に報告書を数回出し、多様な努力を繰り広げたと振り返った。
北朝鮮がロシアと急速に接近する動きを見せているのとは対照的に、中国との距離が多少広がったとの見方については、「北と中国の関係が疎遠になったのは明白だ」とし、中国と北朝鮮の国境の開放が予想より遅かった点などを根拠として挙げた。
リ氏は「北にとって対中関係の回復は急務ではなく、ロシアから最大の利益を得ることが当面の目標であり、その次は日本(との関係)をしっかり握り、経済的利益を得ること」とし「北にはいかなる場合でも中国が自分たちを捨てられないという余裕がある」と説明した。
また金正恩(キム・ジョンウン)政権は米国との国交正常化や経済支援などを目標に11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利することを「首を長くして待っている」と伝えた。
2018年と19年に行われた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)とトランプ氏の首脳会談では北朝鮮側は対韓国窓口機関が中心に準備を進めたが、現在は第2次トランプ政権の発足を見据えて外務省が米朝首脳会談の準備を進めているとの見方を示した。
北朝鮮が韓国との対話の道に復帰するかについては、「昨年末に示された(韓国を敵対国と位置づける)『2国家論』は戦略的な決定だと思う」とし「少なくとも10年以内には難しいだろう」と悲観した。
またリ氏は北朝鮮の若者世代を「韓流世代」とし、「(韓国コンテンツを見るなと)言っても聞かないため銃殺までしながら、恐怖を子どもたちにまで広げている」と北朝鮮政権を批判した。
北朝鮮政権が早期に崩壊するとの見方については「無責任だ」と指摘。北朝鮮では住民の慢性的な生活苦と恐怖政治が続いているため住民は政権に従わざるを得ないとして、「崩壊をただ待つのではなく、加速させるのがわれわれの任務」と強調した。