▲共に民主党の李在明・前代表と祖国革新党の曺国代表が、尹錫悦政権を批判し「検察改革」を求める記者会見を開いている。/NEWSIS

 次期指導部の選出を進める韓国の野党「共に民主党」と「祖国革新党」の党代表選挙の予備選で、李在明(イ・ジェミョン)候補と曺国(チョ・グク)候補がそれぞれ圧倒的な得票率で優勢になった。両者とも党代表再選に向けて先ごろ党代表を辞任し、党代表選に出馬した。民主党の党代表を選出する全党大会は8月18日に行われるが、李在明候補は週末に行われた初めての地方予備選挙で91.70%の支持を獲得し、独走の構図が浮き彫りになった。一方の曺国候補は、単独出馬となった祖国革新党の党代表選で99.9%の賛成率で再選が確定した。韓国政界では「民主主義国家で、党代表選の予備選挙でこのように一方的な結果になることはめったにない」との声が出ている。

■李在明候補の得票率、2年前より10ポイント上昇

 民主党の中央選挙管理委員会は20日に済州と仁川、21日に江原と大邱・慶尚北道で合同演説会を開催し、この地域の権利党員を対象に実施したオンライン投票の結果を発表した。李在明候補の得票率は済州で82.50%、仁川で93.77%、江原道で90.02%、大邱で94.73%、慶尚北道で93.97%で、得票率は全体で90%を超えた。これは2年前の党代表予備選で李候補が獲得した得票率(77.77%)を10ポイント以上上回る数値だ。

 「李在明氏1人による政党独占を阻止する」として出馬した金斗官(キム・ドゥグァン)候補は7.19%にとどまった。青年政治を主張して挑戦したキム・ジス候補は1.11%だった。民主党の関係者は「党員の多数が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に対抗するためには李在明候補をけん制するより支援するべきという意見に傾いたようだ」と話した。

 李候補は予備選の演説で「国民の暮らしの問題を解決することこそが民主党政治の理念であるべき」と訴えた。初の予備選で圧勝を収めた直後には「この重さに匹敵する責任を持ってやっていく」と述べた。金斗官候補は「民主党は帝王的な総裁、1人による政党独占によって、党内で意見を言う道が閉ざされ、討論と対話がなくなった」と指摘した。

 5人を選出する最高委員予備選では、候補8人のうちチョン・ボンジュ候補が得票率21.67%で1位に立った。次いで金炳周(キム・ビョンジュ)候補(16.17%)、全賢姫(チョン・ヒョンヒ)候補(13.76%)、金民錫(キム・ミンソク)候補(12.59%)、李彦周(イ・オンジュ)候補(12.29%)、韓俊鎬(ハン・ジュンホ)候補(10.41%)、姜仙祐(カン・ソンウ)候補(6.99%)、閔炯培(ミン・ヒョンベ)候補(6.13%)の順だった。

 最高委員候補らはいずれも「親・李在明」をアピールして与党との激しい闘争を主張した。こうした中、李在明候補が合同演説会の初日、5位にとどまった金民錫候補を巡り「なぜ票がこんなに伸びないのか」と述べた動画が拡散され、民主党支持者の間では「李候補が本当に望んでいる最高委員候補は誰なのか」との声が上がった。

■「曺国一人のための政党なのか」との指摘も

 祖国革新党は20日、京畿道の水原コンベンションセンターで全党大会を開き、曺国候補を新たな党代表に選出した。党代表選挙にただ1人立候補した曺代表は、この日の賛成投票で3万2094人のうち賛成票が3万2051票(99.9%)に上った。反対は43票だった。

 曺代表は受諾演説で「恐れることなく『尹錫悦と金建希(キム・ゴンヒ)の川』を渡ろう」として「酒に酔った船長を引きずり下ろさなければならない。弾劾と退陣に必要なあらゆる措置を準備する」と訴えた。また「現行20席となっている院内交渉団体(院内会派)基準を緩和し、党を交渉団体にして一党独占体制の地域政治で競争を起こしたい」として「大統領の4年重任制などの改憲を推進し、国民生活を最優先とする国を建設したい」と述べた。今年の総選挙で公認候補を比例代表に絞った祖国革新党は、議席数が12議席だ。曺代表が事実上の「推戴」という形で党代表を続投することを巡り、政界では「『曺国1人のための政党』と言われるほど曺代表への依存度が高い政党であることが確認された」とささやかれている。

キム・ギョンピル記者、キム・サンユン記者

ホーム TOP