▲李真淑・放送通信委員長候補者。/news 1

 韓国国会が今週、主な高位公職候補者に対する人事聴聞会を開く。22日にキム・ビョンファン金融委員長候補者と金琓燮(キム・ワンソプ)環境部(省に相当)長官候補者の聴聞会、22日、24日、25日にはそれぞれ魯坰泌(ノ・ギョンピル)、朴英在(パク・ヨンジェ)、イ・スクヨン大法官(最高裁判事)候補者の聴聞会、24-25日には李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員長候補者の人事聴聞会が開かれる。

 この中で、李真淑候補者の聴聞会では与野党が激しく衝突するとみられている。韓国野党「共に民主党」はこれまでに、李東官(イ・ドングァン)元放送通信委員長、金洪一(キム・ホンイル)前放送通信委員長の弾劾訴追を推進し、2人とも弾劾訴追案の発議や表決の直前、放送通信委員会の機能停止を防ぐために辞任した。いずれもKBSやMBCなど公共放送の理事陣の交代問題を巡って与野党が衝突したことが発端となった。こうした中、金洪一前委員長の後任として李真淑候補が指名されると、民主党は弾劾訴追まで予告して正式就任を阻止しようとしている。

 これに関連して民主党は、李真淑候補者が2022年にYouTubeで、映画『パラサイト 半地下の家族』と『タクシー運転手 約束は海を越えて』を「左派の映画だ」と述べた上、俳優のキム・ミファさん、キム・ジェドンさん、チョン・ウソンさんらを「左派の芸能人」と呼ぶなど芸能界を左派・右派に分断したとして、「放送通信委員長として不適格だ」と主張した。また、大田MBC社長を務めていた際に、法人カードで30回にわたり週末のゴルフ費用(約1500万ウォン=約170万円)を支払い、ソウルのMBC本社に勤務していた時には高級ホテルで法人カードを152回(約5000万ウォン)にわたって使用するなど、法人カードを不正に使用したと主張した。

 しかし韓国政界では、民主党が李真淑候補者の委員長就任を阻止するために無理やり難癖をつけているとの指摘も出ている。民主党所属の崔ミン姫(チェ・ミンヒ)議員(国会科学技術放送情報通信委員長)は「李真淑候補者が過去44年にわたって一度も献血をしなかった」として「公共の精神が足りない」と指摘した。国民の力の関係者は「持病があり献血できない人もいるのに、献血と放送通信委員長の職務遂行に何の関係があるというのか」と疑問を呈した。

 民主党が李真淑候補者の人事聴聞会に二日間かけることについても、国民の力は「行き過ぎだ」と反発した。大法院長や国務総理(首相)ならともかく、長官(閣僚)級の人事で人事聴聞会に二日間かけた例はこれまで見当たらないというわけだ。民主党はまた、李真淑候補者の聴聞会に証人として元世勲(ウォン・セフン)元国家情報院長、李東官・元放送通信委員長、金洪一・前放送通信委員長ら27人、参考人として映画監督のパク・チャヌク氏ら46人を採択した。

キム・ジョンファン記者

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