政治総合
韓国国民権益委「共に民主・李在明代表ヘリ転院は特別待遇」
韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)前代表が釜山で凶器を持った男に襲撃された後、救急ヘリコプターを使ってソウル大学病院に転院したのは不正請託による特別待遇に当たるとの指摘に対し、韓国国民権益委員会(以下、権益委)が22日に全員委員会を開き、「特別待遇に当たる」との結論を下したことが分かった。
権益委の鄭勝允(チョン・スンユン)副委員長は同日、「釜山大学病院からソウル大学病院への転院・救急医療ヘリを利用した搬送の過程で、釜山大学病院とソウル大学病院の医師および釜山消防災害本部職員の行動綱領違反事実を確認し、監督機関などにそれぞれ違反事実を通知することに決めた」と発表した。
李在明氏は共に民主党の党代表だった今年1月2日午前、釜山・加徳島新空港の用地内で凶器を持った男に襲われた。すぐに釜山大学病院で治療を受けたが、同日午後、救急ヘリでソウル大学病院に転院した。その後、権益委には「李在明氏側が救急ヘリの利用を要求したことは不正請託及び金品等の収受禁止に関する法律(通称:金英蘭〈キム・ヨンラン〉法)上の『不正請託』に当たり、この請託を医療陣や釜山消防災害本部が受け入れたのは『特別待遇提供』に該当する」との通報が数件受理されていた。
権益委は、李在明氏の救急ヘリ搬送がソウル大学病院と釜山消防災害本部の内部規定にそぐわないのにもかかわらず行われたことを確認したという。このため、権益委は救急ヘリ搬送に関与した医師らと釜山消防災害本部職員らが「特定人に特別待遇をしてはならない」とする公務員行動綱領第6条に違反したと見て関係各機関に通知し、該当者に懲戒処分などの措置を取るよう告げた。
権益委はその一方で、「李在明氏と当時秘書室長だった共に民主党の千俊鎬(チョン・ジュンホ)現議員については特別待遇に対する責任を問うことはできない」と判断した。国会議員には公務員行動綱領が適用されないというのがその理由だ。また、「誰が不正請託をしたのかを特定するのが困難だ」という理由で、2人に請託禁止法違反の容疑を適用しないことにしたとのことだ。
権益委の今回の決定は、柳哲桓(ユ・チョルファン)委員長をはじめ、同委員会の委員14人が出席した中、多数決で行われたという。委員のうち数人は「ヘリの利用は特別待遇だ」という判断に強く反発して退場したとのことだ。
また、権益委は同日、公務員らが提供を受けられる食事代の上限を3万ウォン(約3400円)から5万ウォンに引き上げるという内容の請託禁止法施行令改正案を議決した。政府が国務会議(閣議)にこの改正案を上程し、議決すれば、請託禁止法上の食事代の上限は2016年の法施行以降で初めて上方修正されることになる。
金耿必(キム・ギョンピル)記者