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「いじめてないのに認めるのは嫌」 双子バレー選手の姉イ・ジェヨンが引退宣言
中学時代のいじめ疑惑を機に韓国のバレーボール界を去った元韓国代表双子姉妹の姉、イ・ジェヨン(27)が15日、引退を宣言した。インスタグラムではファンに向けて晴れやかな気持ちを伝えると同時に、かつて持ち上がっていた疑惑の数々を何度も遠回しに否定した。
イ・ジェヨンは同日、知人のインスタグラムを通じて長文を投稿し、引退する決心を明らかにした。イ・ジェヨンは「小学3年生ごろから始めたバレーボールは、私の人生の全てと言っても過言ではありませんでした。一生懸命に頑張り続け、プロ選手と国家代表として休みなく選手生活を送ることができ、大勢のファンに愛されて応援されました」とつづった。
さらに「今は、あんなに好きで人生の全てだったバレーボールから離れています。予想外の状況になってつらかったし、3年たった今、ファンの皆さまに自分の状況をどう伝えるべきか頭を悩ませていました」として「そろそろお伝えするべきタイミングが来たと思い、こうして文章を公開することになりました」と続けた。
イ・ジェヨンは「国内でなければ海外でもいいからプレーを続けてほしいと望むファンが多いことは知っています。オファーがなかった訳ではないのですが、ギリシャでプレーした後は海外(でのプレー)は考えたことがありません。何よりも自分の中にモチベーションが湧いてこなくて。理由はいくつかあると思いますが、無理してでも海外で選手生活を続けようという気持ちがありませんでした」と明かした。
また「復帰するために、騒動について示談してほしいという方々も多数いらっしゃいましたが、自分がやっていないことまで認めてバレーを続けたくはありませんでした。過ちは謝罪し、反省していますが、虚偽の事実について訂正していただけない以上、何の意味もないと考えました。『違うことは違う』という気持ちと信念は変わりません」と述べた。
その上で「このような私の気持ちは、諦めではないとお伝えしたいです。バレーボールをしている間、誰よりも一生懸命頑張ったし、それだけ思い切りやったので、引退を前に未練はさほどありません」「予想もしなかったつらい過程を経て辞めることになりましたが、ファンの皆さまに文章でお伝えしている今は、晴れ晴れとした気分でもあります」と心境をつづった。
最後は「私にとってバレーボールは今でも大切な思い出ですが、とても大変でつらい瞬間もたくさんありました。事実でないにもかかわらず、誰かが言った一言によってありとあらゆる叱咤(しった)を受けるという苦痛の時間もありました」「それでも全ての瞬間を、笑ったり泣いたりしながら過ごせたのは、ファンの皆さまがいらっしゃったからです。選手としてファンの皆さまに恥ずかしくないバレーボールをしてきたので、今後も同じように恥ずかしくないイ・ジェヨンとして生きていきます」と締めくくった。
イ・ジェヨンの双子の妹イ・ダヨンはその翌日、この文章を自身のインスタグラムのストーリー上でシェア。イ・ジェヨンの代わりに文章を投稿した知人も、姉妹がコートに立っている写真を投稿し「引退おめでとう。この先に幸せなことだけが待っていますように」と応援メッセージを送った。イ・ダヨンは現在、フランス・リーグのチームでプレーを続けている。
イ・ジェヨンとイ・ダヨンの学生時代のいじめが初めて暴露されたのは、2021年2月のことだった。世間の非難が強まると、2人は二日後に直筆の謝罪文を公開し、いじめ加害の一部を認めた。その後、当時所属していた興国生命は2人を無期限の出場停止とし、大韓バレーボール協会は韓国代表資格の剥奪という懲戒処分を下した。しばらくして2人はギリシャのチームと契約し、韓国を離れた。
しかしその間に妹のイ・ダヨンに極秘結婚・家庭内暴力・不倫などの疑惑が浮上し、再び一部から批判を浴びることとなった。また、イ・ジェヨンは昨年、メディアとのインタビューで「いじめをしたことはなく、被害を受けたという同級生から合意金1億ウォン(約1150万円)を要求された」と主張した。
その上で「中学時代にあったイ・ダヨンの問題行動については明らかに何度も謝った」「それなのに、いきなり10年も前のことを暴露したその意図が気になる」と話した。これに対し、被害者側は「イ・ダヨンだけでなくイ・ジェヨンも常習的にいじめをしていた加害者だ」として「姉妹の方から先に合意を提案してきた」と反論した。
ムン・ジヨン記者