▲イラスト=UTOIMAGE

 タバコの吸い殻を捨てて38億ウォン(現在のレートで約4億3700万円)相当の工場を焼失させた60代の被告に罰金刑が言い渡された。大田地裁天安支部刑事第4単独(裁判長:金秉輝〈キム・ビョンフィ〉部長判事)は14日、失火で在宅起訴されたA被告(64)に罰金1000万ウォンを言い渡したことを明らかにした。

 A被告は2021年3月23日夜7時24分ごろ、忠清南道天安市の大手菓子メーカー、ヘテ製菓第2工場の前で、火が完全に消えていなかったタバコの吸い殻を捨てて出火させたとして起訴された。

 同工場の協力会社社員のA被告が捨てたタバコの吸い殻はパレットの上に落ち、燃え広がって周辺に火が移った。火は物流倉庫、保管中だった製菓製品、機械設備などを焼き、約10時間後に消された。

 この火事で38億2718万ウォン相当の被害が発生した。

 A被告側は「タバコの吸い殻だけでパレットから火災が発生する可能性はないため、火災の原因だと断定できない」と主張していた。

 だが、金秉輝裁判長は「当時の防犯カメラ映像を見ると、A被告がその場を離れる前に積み上げられたパレットの上部が明るくなり、火がつていた。A被告が普段からタバコの吸い殻を捨てる方法などを考慮していなかったため、タバコの火をきちんと消さずに火災が発生したことが十分に認められる」と判断した。

 その上で、「相当額の資産上の被害が発生した点は情状として不利だが、火災発見が遅れ、スプリンクラーがなかったために被害が拡大した点も考慮した」と判決理由を説明した。

天安=キム・ソクモ記者

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