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ビキニ女性が戦車の上で挑発ポーズ、軍が声明を出す事態に…いったい何故 /エクアドル
治安が悪化している南米エクアドルで、ビキニ姿の女性が作戦中の戦車の上で踊る様子を撮影した動画が公開され、現地で問題になっている。市民の反発を受けエクアドル軍は声明を出し、詳しい経緯を把握した上で懲戒の手続きに入ったことを明らかにした。
エル・ウニベルサルなどエクアドル現地の複数のメディアが11日に報じた。それによると先日からX(旧ツイッター)など複数のSNS(交流サイト)を通じ、赤いビキニを着用した女性がエクアドル市内に配備中の戦車の上で踊る様子を撮影した動画が広がっている。この動画は今月7日にマナビ州の港町マンタのムルシエラゴ・ビーチで撮影されたという。女性は挑発的なポーズを取り、意図的に自らの身体の一部を露出させた。
女性の行動はエクアドル社会はもちろん、エクアドル軍でも直ちに問題となった。女性が上った戦車は治安維持のために投入されていたため、市民の間からは「あってはならないこと」との批判が相次いでいる。エクアドルでは昨年8月に大統領候補者が殺害され、さらに今年1月にはテレビ局のスタジオが武装組織に占拠されるなど、治安の悪化が問題となっている。複数の現地メディアは「女性を放置した兵士らへの批判が相次いでいる」と伝えた。
事態を受けエクアドル軍合同司令部は前日Xを通じて声明を出し「女性を戦車に上らせた兵士らへの懲戒を進めている」「女性は一般市民だったが、女性にも法的措置を取る」と明らかにした。その上でエクアドル軍は「暴力犯罪が増加する状況の中、軍は犯罪を抑止し、市民の安全を守るため作戦を展開している」「今回のような事態が繰り返されないよう対応する」との方針も伝えた。
エクアドルは世界にコカインを供給しているコロンビアとペルーの間に位置している。そのためエクアドルは欧州や北米に向かう麻薬のルートとして利用されており、影響力の拡大を狙うギャングなどの抗争が続いている。
最近は大統領候補だった国会議員の殺害事件やテレビ局が武装集団に占拠される事件が起こり、またこの占拠事件を捜査していた検事も殺害されるなど、治安が極度に悪化している。そのため昨年11月に就任したノボア大統領は国民投票を経て先月から主要な港や大都市の周辺に軍を配備した。
ムン・ジヨン記者