▲実弾ではなくレーザーによって敵の兵器システムを迎撃する国産レーザー対空兵器「ブロックⅠ」の実際の形状。/防衛事業庁

 SF映画『スター・ウォーズ』のようにレーザー光線を兵器として使用する時代がやって来る。

 韓国防衛事業庁は11日「韓国型スター・ウォーズ・プロジェクト」の最初の事業となるレーザー対空兵器「ブロックⅠ」の量産に着手すると発表した。ブロックⅠは、光ファイバーで生成したレーザーを標的に照射して無力化するもので、北朝鮮の小型無人機などに対して精密打撃を行うことができる。防衛事業庁の関係者は「映画のように肉眼でレーザー光線が見えるわけではないが、赤外線では見える」と説明した。

 従来の兵器システムとは異なり、実弾は使用せずに電気エネルギーで敵の機体を攻撃する。レーダーで探索した無人機の軌跡を追いながらレーザーを10-20秒ほど照射し、700度以上の熱エネルギーを加えることで、無人機内部のエンジンや電子機器を破壊する方式だ。電気さえ供給されれば運用が可能で、1回の発射にかかる費用は約2000ウォン(約230円)程度だという。弾薬を使う従来の対空砲とは異なり、実弾の落下による被害の懸念もなく、都心などでも使いやすい。現在は出力が低いため小型無人機が対象だが、今後出力を上げれば航空機や弾道ミサイルにも対応できるようになる。

 レーザー対空兵器は2019年8月から871億ウォン(約102億円)の予算を投じて韓国国防科学研究所がシステム開発を主管し、ハンファエアロスペースが試作品の製造に参加した。

 昨年4月に戦闘用として適合判定が下され、先月には防衛事業庁とハンファエアロスペースが量産契約を締結。年内に韓国軍に引き渡されて運用が開始される予定だ。

 防衛事業庁によると、外国でレーザー兵器技術を開発しているケースは多いが、正式に軍に実践配備するのは韓国が初めてだという。韓国に先立ち英国が、高出力のレーザー兵器「ドラゴンファイヤー」の試射に成功したとして動画などを公開したが、実戦配備はまだ先というわけだ。

 防衛事業庁のイ・ドンソク誘導武器事業部長は「出力と射程距離が向上したレーザー対空兵器『ブロックⅡ』の開発も進める予定」と明らかにした。

ヤン・ジホ記者

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