▲韓国大法院の庁舎。/news 1

 AGC(旧・旭硝子)の韓国子会社「AGCファインテクノ韓国」の下請け企業に勤める労働者がAGCファインテクノを相手取って起こした「労働者地位確認訴訟」で、韓国大法院(最高裁判所に相当)は11日、「AGCファインテクノは下請け企業の従業員を直接雇用すべき」という判断を示した。

 大法院は11日、下請け企業の労働者22人がAGCファインテクノを相手取って起こした今回の訴訟で、原審判決を支持し、原告勝訴の判決が確定した。大法院は、AGCファインテクノと労働者が実質的な労使関係にあると判断した。

 AGCファインテクノはディスプレー用のガラスを製造、加工、販売している。同社は製造工程の一部を下請け企業の一つである「GTS」所属の労働者に委託していた。

 ところが2015年7月、GTS所属の非正規労働者らが労働組合を設立すると、AGCファインテクノは下請け契約を解除。その後、GTSは労働者らに対して携帯メールで解雇を通知した。これに対し労働者らは「AGCファインテクノの指揮命令を受けていたのだから会社が直接雇用する義務がある」として訴訟を提起した。

 一審では労働者側が勝訴した。裁判所は「原告らは被告から実質的な指揮・命令を受ける労働者派遣関係にあったとみてよい」と指摘した。

 会社側は判決を不服として控訴したが、二審で裁判所は控訴を棄却。「被告が、解雇された労働者たちに対する統制・指揮決定権を行使したと判断し、一審と同じ結論に達した」と述べた。

 大法院も、一審・二審の判断を支持した。大法院は「GTSの現場管理者らの役割と権限は、AGCファインテクノの管理者からの業務上の指示を労働者に伝える程度に過ぎなかった」と指摘した。また「GTSの労働者らはAGCファインテクノのガラス基板製造事業に実質的に編入されていたと見ることができる」と説明した。

 さらに「GTSはAGCファインテクノが決めた人員配置計画に従って労働者を採用し、現場に配置した」「GTSの労働者の作業や休憩時間、休暇は、AGCファインテクノの生産計画の影響を受けていた」とも指摘した。

イ・ヒョンスン記者

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