金融・財政
税収不足の韓国政府、韓銀から借りた資金91兆ウォン超
韓国政府が今年上半期に韓国銀行(中央銀行)から一時的に借り入れた資金は累計で91兆6000億ウォン(約10兆6000億円)に達し、関連統計を取り始めた2011年以降で最高を記録した。韓国政府は税収不足で歳出を賄えない場合、韓銀から一時的に資金を引き出し、歳入の不足分を補う。
韓銀が7日までに、国会行政安全委員会所属の楊富男(ヤン・ブナム)国会議員に提出した資料によると、政府は今年上半期にうち71兆7000億ウォンを返済し、借入残高は19兆9000億ウォンとなった。個人が当座貸越を利用するように、韓国政府も税収不足時に韓銀から最大で50兆ウォンまで一時的な借り入れを行える。
今年上半期の借入規模はコロナで財政支出がかさんだ2020年上半期(73兆3000億ウォン)、過去最大の税収不足となった昨年上半期(87兆2000億ウォン)を上回る。借入に伴う利息は1291億ウォンで、同様に上半期として過去最高を記録した。
ただ、第1四半期に比べると借入残高は減少した。韓国政府は第1四半期(1~3月)に韓銀から45兆1000億ウォンを借り、12兆6000億ウォンを返済。借入残高は32兆5000億ウォンとなっていた。
韓国政府による韓銀からの借り入れが増えたのは税収の達成状況が遅いためだ。企画財政部によると、1~5月の国税収入は前年同期比9兆1000億ウォン減の151兆ウォンで、 年間税収目標(367兆3000億ウォン)の41.1%にとどまった。昨年は過去最大の税収不足が起きたが、今年はそれよりも税収が少なかった。サムスン電子、SKハイニックスなど主な大企業が昨年赤字を出した影響で、昨年の利益に課税される今年の法人税収が大幅に減ったためだ。
企画財政部関係者は「韓銀からの一時借入は毎月、歳入歳出条件を見極め、国会が認めた範囲で財政運用を効率的に行うためのものであり、大きな問題にはならないだろう」と述べた。
チェ・アリ記者