▲李盛潤・共に民主党議員/ニュース1

 下着大手サンバンウルの対北朝鮮違法送金事件を捜査した朴庠勇(パク・サンヨン)検事の「飲酒醜態」疑惑を最初に提起した、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」所属の李盛潤(イ・ソンユン)議員。この李議員は8日、取材陣の「朴庠勇検事の実名を挙げたことはない、という主張をしているのか」という質問に対し「(私が)法制司法委で発言したままご覧になればお分かりになるだろう」と答えた。李議員のこうした発言を巡って、民主党が飲酒醜態疑惑などで朴検事に対する弾劾訴追案を発議し、これに対して朴検事が「疑惑は全く事実ではない」として李議員などを名誉毀損(きそん)の疑いで告訴したことから、足抜けしようとしているのかという声が上がった。

 李議員は6月14日、韓国国会法制司法委の会議で「飲酒醜態」疑惑を提起しつつ「『○○○私じゃないよ』とカカオトークのプロフィルをアップロードした検事は、サンバンウル捜査機密流出事件捜査中にでたらめな捜査官に家宅捜索を行った」「李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事を捜査した検事」と発言した。李議員が問題を提起した対象は朴検事だったが、彼の実名を特定して述べなかった-というのが李議員の主張だ。李議員は6月17日、ユーチューブのあるチャンネルでも「『○○○私じゃないよ』という検事がサンバンウル事件捜査検事」と語った。

 しかし、朴検事側は「李議員が当時、検察の懐柔疑惑と共に朴検事の名前を記した李華泳氏の手紙を画面に示した」と反論した。実名に言及はしなかったが、李議員が資料を露出させ、事実上「醜態検事」として朴検事を名指したというのだ。李議員は今月4日、CBSラジオで、朴検事に対する疑惑提起に関連して「法制司法委の会議で質疑の際にそういう疑惑を提起した」とも述べた。朴検事側の権昶範(クォン・チャンボム)弁護士は「李議員が今になって言い逃れをしているが、それなら事実確認能力や発言の信頼性に相当問題がある」とし「もし、虚偽であることを知っていても朴検事を傷つけるために言ったのであれば、虚偽事実適示名誉毀損」と指摘した。

 李議員は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に大検察庁(最高検に相当)反腐敗部長、法務部(省に相当)検察局長、ソウル中央地検長など検察の要職を歴任した。その後はソウル高検長にまで上った。李氏は、主要ポストを歴任する中で「大統領府の蔚山市長選挙介入」「オプティマスファンド詐欺」事件などに関連して、現野党関係者の「防弾」の先頭に立ってきた-という批判を受けている。例えば、ソウル中央地検長就任直後、曺国(チョ・グク)議員=肩書は現在=の息子の虚偽インターン活動確認書発給の疑いが持たれていた崔康旭(チェ・ガンウク)元議員の起訴に対する決済を引き延ばしたという。崔・元議員はこの事件で結局起訴され、昨年9月に懲役8カ月・執行猶予2年の確定判決を受けて議員職を喪失した。検察関係者は「自分が文在寅政権関連の事件を握りつぶしたことは考えもせず、義のある検事であったかのように振る舞っている」と語った。

キム・ジョンファン記者

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