▲【NEWSIS】世界最大規模の半導体工場であるサムスン電子平沢キャンパスの全景。このラインで極端紫外線(EUV)工程を適用した最先端モバイルDRAMが生産されている。写真提供=サムスン電子

 【NEWSIS】サムスン電子が今年4-6月期に10兆4000億ウォン(約1兆2000億円)の営業利益を上げた。メモリー半導体などが全体の実績をけん引したものと分析されている。サムスン電子の半導体(DS)部門は1-3月期に黒字に転じた後、3カ月で営業利益規模が3倍以上増えたものとみられる。このため、本格的な半導体の「スーパーサイクル(大好況)」に入ったとの見方が出ている。

 サムスン電子は5日、今年4-6月期の連結決算(暫定集計)について、売上高74兆ウォン、営業利益10兆4000億ウォンと発表した。

 業界では当初、サムスン電子の4-6月期の営業利益を最大で8兆ウォン台と予測していたが、実際にはそれよりも2兆ウォン以上多く、「アーニング・サプライズ(予想外の経営情報に対する株式市場の反応)」となった。これは2022年7-9月期(10兆8500億ウォン)以来、7四半期ぶりの営業利益10兆ウォン台だ。暫定集計では事業別実績を公表しない。

 人工知能(AI)市場の拡大によりメモリー半導体の需要が回復し、DS部門の実績が大幅に改善され、全体の実績をけん引したものとみられる。また、DRAMやNAND型フラッシュメモリーなどのメモリー価格が1年前に比べて大幅に上昇したことも実績改善にポジティブな影響を及ぼしたものと分析されている。

 市場調査会社トレンド・フォースによると、今年4-6月期のDRAM全体の価格は13-18%、NAND全体の価格は15-20%上昇したとのことだ。

 高付加価値メモリーに対する需要も実績改善に寄与したものとみられる。AI用高付加価値メモリー「DDR5」とAIデータセンター用ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)に対する需要は着実に増えている。

 広帯域メモリー(HBM)の販売拡大による平均販売価格(ASP)上昇も実績をけん引したと評価されている。

 業界では当初、DS部門で4兆-5兆ウォン台の営業利益を出すとみていたが、全体で10兆ウォン以上の営業利益となったため、DS部門の実績は6兆ウォン台以上だろうとの見方が出ている。わずか1四半期でDS部門の営業利益が3倍以上も増加したということだ。

 DS部門は今年1-3月期に営業利益1兆9100億ウォンを上げ、5四半期ぶりの黒字転換に成功した。

 サムスン電子は今年1-3月期と4-6月期にDS部門だけで8兆ウォン台の営業利益を上げたと推定されており、本格的な半導体スーパーサイクルに入ったという期待の声も聞こえ始めている。今年、こうした傾向が続けば、DS部門で20兆ウォン近い年間営業利益を達成する見通しだ。

 DS部門は昨年だけで15兆ウォンに達する過去最大の赤字を出していた。

 サムスン電子が米半導体メーカー・NVIDIA(エヌビディア)のHBM品質検証テストを通過し、HBMを供給できるかどうかが下半期の実績に大きな影響を与える見通しだ。

 メリッツ証券のキム・ソンウ研究員は「10兆ウォン以上の営業利益達成は市場内で大歓迎されるだろう。下半期にもレガシーDRAM市場需給改善により、実績の持続的な上方修正が予想される」と分析した。

イ・ジヨン記者

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