社会総合
韓国の小学校 10年後には1クラス10人割れも=少子化影響
【ソウル聯合ニュース】韓国で急激な少子化が進むなか、10年後には小学校の生徒数が1クラス当たり1桁台に減少する可能性があることが分かった。野党の国会議員や市民団体「私教育の心配のない世界」が4日、ソウル市内で共催したフォーラムで、教員団体「良い教師運動」のホン・インギ初等政策チーム長がこのような推計を発表した。
ホン氏は、統計庁が昨年6月発表した学齢人口の推計を基に予測した小学校の1クラス当たりの生徒数は、2034年には低位推計(推定値のうち人口が最も急速に減少する水準で仮定)で8.8人にとどまったと明らかにした。予測値によると、1クラス当たりの生徒数は23年の21.1人から減少を続け、33年には9.3人と10人を割り込む見通しだ。
人口がこのままのペースで減少すれば、小学校の1クラス当たりの生徒数は60年には5.5人、70年には2.7人にまで落ち込む。低位推計より楽観的な中位推計でも、34年の小学校1クラス当たりの生徒数は9.8人と1桁台に減り、60年に8.7人、70年には6.0人に減少すると推計された。
ホン氏は、地方で小学校が廃校になれば若者層の流入が減り、地域が消滅する恐れがあるとして、小規模校の基準を現在の120人から60人以下に引き下げ、特別支援法を設けなければならないと主張した。
韓国政府は先月、副首相がトップを務める「人口戦略企画部」を新設し、少子化問題に政府レベルで対応することを決めた。だが、フォーラムでは政府の計画には受験競争を緩和する方策が不足していると指摘された。私教育の心配のない世界のペク・ビョンファン政策チーム長は教育部が昨年6月、自律型私立高校・外国語高校・国際高校を維持すると発表し、今年1月には大学修学能力試験(修能、日本の大学入学共通テストに相当)で相対評価制度を続行するとした28学年度の大学入試制度を確定したことに対し「私教育費の負担と相対評価の影響力を拡大する」とし、「政府が問題の深刻さを認識しているのか疑わざるを得ない」と批判した。