▲金竜元・国家人権委員会常任委員が6月26日午前、人権委のブリーフィングルームで「宋斗煥人権委員長糾弾と今後の会議ボイコット」を骨子とする共同声明書を発表している様子/ニュース1

 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が3日、国家人権委員会常任委員を国会の弾劾訴追対象に追加する内容の国家人権委員会法改正案を発議した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が任命した金竜元(キム・ヨンウォン)人権委常任委員を狙った法案だ。李在明(イ・ジェミョン)前代表など民主党関連事案を捜査する検事らに続き、金常任委員の弾劾訴追も推進しようとするものだとの見方が出ている。

 徐美和(ソ・ミファ)議員など民主党所属議員らは3日、国会で記者会見を開き、いわゆる「金竜元弾劾法」を発議すると発表した。徐議員は「金竜元常任委員は人権委職員らに対する持続的な悪口と甲チル(優越的地位を利用した無理強い)、暴言などで人権委を『人権毀損(きそん)の場』に転落させた」とし「国会運営委員会の会議はもちろん停会中も宋斗煥(ソン・ドゥファン)人権委員長に暴言を吐き、騒ぎを起こした」と主張した。姜由楨(カン・ユジョン)議員は「『金竜元弾劾法』だと言える」と語った。

 民主党が発議した改正案は、人権委常任委員が「人権問題に関する専門的知識と経験があり、人権の保障と向上のための業務を公正かつ独立的に遂行できると認められる人物」という資格要件に反する行為を持続・反復した場合、国会が委員長や常任委員を弾劾できるようにするものだ。これを巡って韓国政界からは「結局、民主党の好みに合わない人権委員をいつでも弾劾しようとする法案ではないか」という声が上がった。

 金常任委員は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に任命された宋斗煥委員長と絶えず衝突していた。昨年11月に宋斗煥委員長が「さる9日に国会本会議で労組法2・3条改正案(黄色い封筒法)が可決されたことを歓迎する」と述べると、金常任委員は抗議声明を出した。「宋委員長は当該声明が個人の意見だと明かさないまま人権委員長名義で声明を発表し、まるで人権委という国家機関が黄色い封筒法案の可決を歓迎しているかのように国民に誤解を呼び起こした」と主張した。

 先月21日の国会運営委業務報告のときも、金常任委員は宋委員長と衝突した。当時、進歩系野党「祖国革新党」の申荘植(シン・ジャンシク)議員が宋委員長に向けて「(金竜元委員などの任命は)尹大統領が人権委を壊そうと決めてやったことではないかと疑っている」と発言すると、宋委員長は「考えてみる範囲内にはありそうに思う」と答弁した。この過程で金常任委員が「妄言だと思う」と言うと、朴賛大(パク・チャンデ)運営委員長は金常任委員を強制退場させた。

キム・テジュン記者

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