韓中関係
ケイ海明駐韓中国大使が来月離任
中国のケイ海明(けい・かいめい、シン・ハイミン)駐韓大使(ケイは刑のつくりをおおざと)が来月離任することがわかった。ケイ大使は2020年1月に韓国に赴任したが、内政干渉発言などでたびたび問題となり、今回の離任が韓中関係改善の兆しが見え始めた時期と重なったことで逆に注目が集まっている。
ある外交筋が28日に伝えた。それによるとケイ大使は中国政府から7月10日付けで帰国命令を受け、また中国政府は同日韓国政府にケイ大使離任を伝えたという。次の大使はまだ未定で、当分は駐韓中国大使館公使が大使代理としてケイ大使の業務を引き継ぐ見通しだ。後任は2008-14年に駐韓中国大使館公使参事官や副大使を歴任した陳海・駐ミャンマー大使などが有力視されている。
韓中両国の高官クラスによる交流が最近活発になる中、これまで問題発言が多かったケイ大使の離任は予想よりも早いと受け取られている。外交関係者の間ではケイ大使は今年の末まで大使を務めるとの見方が有力視されていた。
ただしケイ大使の帰国は慣例を大きく外れるものでもないという。2020年1月に韓国に赴任し4年半勤務したことになるが、前任大使らも通常は3-4年後には帰国している。ケイ大使は1964年11月生まれで、今年定年(60歳)を迎える。中国では退任直前の外交官を韓国に送るケースが多い。
韓国語を流ちょうに話せるケイ大使は韓国の官僚、政治家、メディア関係者などと積極的に交流し、「戦浪外交」を実行に移したとも評されている。2021年7月に当時野党の有力大統領候補だった尹錫悦(ユン・ソンニョル)元検事総長がメディアとのインタビューで「THAAD(高高度ミサイル防衛システム)は韓国の主権領域」と発言したことに対し、ケイ大使は翌日同じメディアに寄稿し「理解できない」と批判した。
昨年6月に野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談した際には「米国の勝利に賭ければ後から必ず後悔する」という趣旨の発言で問題となった。これに対しては韓国大統領室が「架け橋の役割が適切でなければ、本国と駐在国の国家的利益を害する恐れがある」と批判し、与党からは「ペルソナ・ノン・グラータ(外交的に好ましからざる人物)に指定し追放すべきだ」などの指摘も相次いだ。この事件を受け韓国政府高官らはケイ大使と会うことを避けるようになり、ケイ大使の公開活動も大きく減った。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員