社説
韓国国会を掌握した共に民主党が提出した奇妙な法案にあきれるばかり【6月27日付社説】
第22代国会がようやく開会を迎えたと思いきや、韓国最大野党・共に民主党が立法で再び暴走を始めた。その法案を見てみると、発想や内容が荒唐無稽で、あきれてしまうものが少なくない。大統領が既に拒否権を行使した「放送法」や「黄色い封筒法」を再び推し進めることからしてそうだ。この両法は、共に民主党が与党だった時、「問題がある」として処理しなかったもので、国会の再議決で否決されている。そのような法律を再び推進するというのだ。放送法の内容は「共に民主党放送」を作ろうというものだ。特にMBCは社長の任期を3年とし、解任できないようにした。しかも、放送通信委員会の議決定足数を2人から4人に増やし、共に民主党が運営をマヒさせることができるようにしている。
「チェ上等兵特検法」も再議決で否決されたが、また処理するという。中立的でなければならない特別検事を野党が事実上指名するのは常識にかなうものなのだろうか。共に民主党は監査院の監査前に野党推薦委員がいる監査委員会の事前承認を受けるようにする法案を発議した。共に民主党が監査院も掌握するということだ。また、監査院が犯罪容疑を見つけて検察・警察に捜査を要請したり、中間監査結果を発表したりすることも禁止した。月城原発の経済性評価操作、西海(黄海)公務員殺害事件の隠匿、各種統計の操作といった「文在寅(ムン・ジェイン)政権の不正監査」を阻もうという意図だ。今、国会常任委員会は多数党の共に民主党主導で開かれる場合が多いが、ここに証人として採択されれば出席が強制され、偽証時には刑事処罰される法案も出した。これはもともと、国政調査・監査にある条項だ。共に民主党の言うことを聞かなければ、聴聞会に出席させて処罰するということだ。
共に民主党は憲法上、大統領の固有権限である法律案再議要求権(拒否権)を制限する法案も出した。政府の施行令制定・改正権を制限し、これに違反すれば施行令を無効化する法案も発議した。首相と長官・次官が常任委員会に出席しなかったり、途中で席を外したりしたら刑事処罰する「不出席処罰法」も出した。前回の国会では検察捜査権剥奪法を推進したが、今回は検察庁を廃止する法案を出すという。
李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表の「大庄洞都市開発事業不正事件」の弁護士議員たちは特定人を処罰しようとする捜査だとの疑いがある場合、判事が令状を棄却しなければならないという「標的捜査禁止法」も発議した。さらに、「検察は存在しない罪をでっち上げる」として捜査機関の虚偽告訴罪を新設し、法を誤って適用した判事・検事を処罰する「法歪曲罪」も作ると言っている。
共に民主党も、このような無理な法案が実現するとは思っていないことだろう。大統領に拒否権行使の負担をかけさせ、政争化しようというのが狙いだ。いくらそうだとしても、国会を掌握している政党と国会議員が、このような荒唐無稽な主張を法と名付けて国会に提出できるものだろうか。