【モスクワ聯合ニュース】ロシアの外務省は26日、ルデンコ外務次官が韓国の李度勲(イ・ドフン)駐ロ大使と会談し、韓国政府の対決的な政策を見直すよう求めたと発表した。

 ロシアのプーチン大統領が訪朝して北朝鮮と「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結したことを受けて韓ロ関係が悪化する中、韓国の駐ロ大使との面会内容を公表し、「反ロシア的発言」との表現を使って関係悪化の責任を韓国に転嫁した。

 ロシア外務省は「韓国当局に対し、朝鮮半島の緊張を高める対決的な政策を見直し、北東アジアで平和と安定、和解を実現する効果的な方法を模索する道を選ぶよう促した」と表明した。そのうえで、数十年間築いてきた建設的な協力が破壊されたのは韓国の現指導部の責任だと主張した。

 また、プーチン大統領の訪朝や条約締結に関する韓国政府高官の「反ロシア的発言」は容認できないと表明。「ロシアと北朝鮮が朝鮮半島の平和と安全保障を脅かすという根拠のない非難は、ロシアと中国を抑止するために北東アジアで米国中心の軍事ブロックを構築し、アジア太平洋地域で衰退する覇権を維持しようとする米国の攻撃的計画から国際社会の関心をそらすためのもの」と主張した。

 在ロシア韓国大使館は李氏とルデンコ氏の会談に関し、声明などは発表しなかった。

 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は25日、朝鮮戦争の勃発から74年を迎えて開かれた記念式典で、北朝鮮がごみなどをぶら下げた「汚物風船」を韓国に向けて飛ばしていることやロシアと条約を結んだことは「歴史の進歩に逆行する時代錯誤的な行動」と批判していた。

 ロ朝の条約にはどちらかが武力侵攻を受けた場合には遅滞なく軍事的な援助を提供するとの条項が明記され、事実上の軍事同盟とされている。韓国はロシアの侵攻を受けるウクライナへの武器支援を検討する方針を表明するなど強く反発し、プーチン大統領は韓国がウクライナに殺傷兵器を供与すれば「非常に大きなミス」になると警告した。

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