【華城聯合ニュース】韓国・ソウル近郊の京畿道華城市にある電池製造会社「アリセル」の工場で24日、火災が発生し、20人以上の死者が出たことが確認された。

 火災発生後、従業員など21人と連絡が取れず、大惨事になる懸念が現実となった。

 遺体の多くは建物2階の出火場所付近で見つかった。

◇死者20人超 さらに増える可能性も

 火災は24日午前10時半ごろ、工場の2階で発生した。当初は死者1人、重症2人、軽症5人と発表されていた。

 消防当局によると、午後6時半現在、死傷者数は死亡22人、重傷2人、軽傷6人で、1人が行方不明となっている。死亡者22人のうち20人は外国人で、中国国籍が18人、ラオス国籍が1人、国籍不明者が1人だ。

 遺体はすべて建物2階の出火場所と同じフロアで見つかった。

 死亡者の身元はまだ確認されていない。遺体の損傷が激しく、身元判明のためにはDNA鑑定などが必要とみられる。

◇バッテリー1個で爆発的燃焼 消火活動が難航

 消防当局は有害な化学物質のリチウムを取り扱っている工場での火災であることを考慮し、火災発生から約9分後の10時40分には非常時に発令する3段階の消火活動警報の最も低い1段階を発令し、10時54分ごろには、上から2番目の2段階を発令。消防隊員ら159人と消防車など63台が出動し、対応にあたった。

 だが、リチウムバッテリー火災は一般的な方法では火を完全に消すことが難しく、火災発生の初期段階での消火活動が難航したという。消防当局の関係者は「工場内にあったバッテリーが連続して発火して急激に火が広がり、消火活動が難航した」と話した。

 午後3時10分ごろにはほぼ鎮火され、救助隊を投じて捜索が開始された。

 消防当局はバッテリー1個が爆発的に燃焼したという現場関係者の証言をもとに、火災の経緯を調べている。

 火災発生時、同社では計102人が出勤し、出火した工場では67人が働いていた。1階に15人、2階に52人いたが、2階にいた人の多くが現場から避難することができなかったという。

 また日雇いの労動者が含まれていたことから、火災発生当初に正確な人数が把握できず、安否不明者の数にずれが生じた。

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