コラム
嫌韓なのか、そうではないのか…対馬・和多都美神社の韓国人立ち入り禁止措置(下)【コラム】
このときは、韓国人窃盗団の対馬仏像盗難事件(2012年)の余波や強制徴用被害者賠償問題、韓国国内の「ノー・ジャパン」運動などで両国関係が悪化の一途をたどっていました。和多都美神社だけでなく一部の飲食店でも「韓国人は受け入れない」と公言しました。時期が時期だっただけに、当時、対馬の人々のこうした措置は韓国人の非紳士的行為に対する苦肉の策というよりも、嫌韓だとの非難を浴びました。
しかし両国関係が大幅に回復し、対馬を訪れる韓国人観光客も再び増えている今、和多都美神社が再度敢行した韓国人立ち入り禁止措置については原因が違うとの分析が出ています。韓国人観光客が実際に繰り広げているマナーに欠けた行為が、関係者の証言はもちろん動画でも公開されたことで、非難の矢は神社よりも韓国人観光客らに向いています。
産経新聞など日本メディアからも「韓国人に限った立ち入り禁止措置は差別とされる余地がある」との指摘が出ていますが、神社側は「韓国人全てが悪いわけではないとよく分かっている」としつつも「多くの韓国人を受け入れて不敬行為までコントロールすることは、当神社のように小さな神社では対応が困難です。今後、韓国人の出入り禁止を解除するつもりはございません。神明奉仕するわれわれは、毅然(きぜん)とした態度でこの場所を守っていきたいと思います」と訴えた。さらに「これまで韓国人から『チョッXX』(日本人に対する蔑称)という言葉を数え切れないほど聞いた。彼らはためらうことなく日本人を差別し、いざ立ち入り禁止となると『差別』だと叫ぶ」とも批判しました。
和多都美神社には、韓国のほかにもフランス・イタリア・スペイン・台湾など他の国々の観光客もひんぱんに訪れるといいます。ところが、唯一問題を誘発するのは韓国人観光客だ-というのが神社側の主張です。神社側は「他の国の旅行客は大部分、日本文化に敬意を表して注意事項をきちんと守る」「逆に韓国人観光客の10人中8人は迷惑行為をする」と批判しました。そうして「ビールなど酒とつまみを持ち込んで境内で飲み、各所にごみを捨てる。韓国語で書いた禁煙の表示があってもたばこを吸い、吸い殻を捨てるだけでなく、トイレの外で用を足した観光客もいた」と慨嘆しました。
フジ・ニュース・ネットワーク(FNN)は「韓国人観光客の特徴は、神社を訪問しながらも参拝しないこと」だとし「何のために(神社を)訪れるのか理解できない。神社の立場からは『反日教育の影響ではないか』という疑問を拭い得ないのが事実」と報じました。
韓国人立ち入り禁止の表示を掲げた結果、和多都美神社では6月12日から韓国人観光客の足が途絶えたといいます。神社側は「しばらくは状況を見守りたいが、日本だけでなく韓国のさまざまなメディアでも関心を持って大きく取り上げたことで、(自分たちのメッセージが)きちんと伝わったようだ」とコメントしました。
和多都美神社が最近ソーシャルメディアなどを通して伝えたメッセージは、韓国人観光客を「朝鮮人」と表現したり、韓国が日本と領有権を巡って争っている独島の問題への言及があるなど、明らかに嫌韓論争の余地も交じっています。しかし、一部の韓国人観光客の迷惑行為が事実上明白である状況の中、対馬を訪れる韓国人の「エチケット」を巡る悩みはしばらく続くものとみられます。
FNNは、日本の刑法によると神社など宗教施設で不敬な行為をした者には6カ月以内の懲役もしくは10万円以下の罰金刑が下されることもあり得る、と伝えました。対馬の地域当局は、韓国と対馬を結ぶ船でエチケット順守を求める動画を流すなど、さまざまな対策を講じていると明かしました。
今回は、対馬の和多都美神社が敢行した「韓国人立ち入り禁止」措置について調べてみました。ちょっと寂しいニュースでした。来週また、日本から最もホットな話題でお会いしたいと思います。
金東炫(キム・ドンヒョン)記者