▲救助犬「ゴーゴー」。写真=韓国消防庁

 「50代の男性が五日間行方不明になっています。支援をお願いします」

 今月20日午前、忠清北道丹陽郡。忠清北道消防本部からの支援要請を受け、韓国中央119救助本部所属の救助犬「ゴーゴー」とハンドラー(救助犬とチームを組む人)のオ・ヨンチョル消防校(階級名)が出動した。

 消防隊員や警察官約30人が行方不明者の自宅周辺などを捜索したが、五日たっても見つけられずにいた。

 オ・ヨンチョル消防校が「ゴーゴー、捜せ!」と叫ぶと、救助犬ゴーゴーは一目散に走っていき、近くの山のやぶの中を捜した。そして25分後、一人で歩いていた行方不明者を発見した。「ゴーゴーは30人よりすごいね」とあちこちから驚きの声が上がった。

 一息ついたと思ったら、また支援要請が入ってきた。今度は車で1時間離れた江原道原州市からだった。認知症の70代男性が家からいなくなったという。

 既に消防隊員と警察官約40人、消防ヘリコプター、ドローンがこの男性を捜していた。

 山の中に入ったゴーゴーは、1時間後に草むらに座り込んで荒い呼吸をしているこの男性を見つけた。

 韓国消防庁関係者は「一日に別々の場所で行方不明者2人を救助したのはゴーゴーが初めて」と話す。オ・ヨンチョル消防校は「最近は暑くなってきたため、行方不明者をできるだけ早く捜し出すことが重要だが、本当に良かった」と語った。

 ゴーゴーはメスのドイツ産シェパードだ。今年5歳で、昨年4月から救助犬として投入された。

 ゴーゴーという名前は119救助犬教育隊で訓練を受けている時、訓練士が付けたという。「救助現場で止まらず、どんどん前に進め」という意味だ。

 ゴーゴーが実際に行方不明者を見つけたのは今回が初めてだとのことだ。オ・ヨンチョル消防校は「普段は敏感で小心な方だが、現場ではそういうことを忘れさせるほど勇敢だ。今後が楽しみだ」と語った。

 ゴーゴーが一番好きなのは牛肉味のドッグフード。同日は行方不明者2人を見つけ出した後、このドッグフードをおなかいっぱい食べさせてもらったとのことだ。

 韓国ではゴーゴーのような救助犬が35頭活動している。昨年1年間で872回出動し、行方不明者44人を発見した。昨年2月にはトルコ地震の現場にも出動し、3人を救助した。救助犬は人間より50倍以上も優れた聴覚と、1万倍以上も敏感な嗅覚を使って行方不明者を捜し出す。

パク・チンソン記者

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