▲中国の労働節連休の前日に当たる4月30日午前、済州港に到着したクルーズ船「ドリーム号」から笑顔で降りて歩き出す中国人観光客。/聯合ニュース

 韓国の済州島が「中国の島」と呼ばれるほど中国人が増えている理由について、投資を通じて移民資格を取得する「投資移民」のハードルが低いためだとの分析が示された。

 台湾紙「自由時報」は19日(現地時間)、「済州島、中国の島になるのか? お世話に忙しい韓国政府」と題する記事を掲載した。

 同紙は「2008年にビザがなくても30日間滞在できるようになり、済州島は一気に中国人の海外旅行先として脚光を浴びるようになった」と報じた。ピークだった2016年1月から8月には216万人の中国人が済州島を訪れた。同期間に済州島を訪れた外国人客の87%が中国人だったのだ。その後、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備への報復として中国が「韓国旅行禁止令」を下すと、済州島を訪れる中国人の数は減少したが、それでも19年には108万人の中国人が済州島を訪れた。

 同紙は「中国人観光客が済州島の観光産業と不動産景気を活性化させたのは事実だが、同時に中国人たちがもうけを得ようと済州島の土地を買いあさり始め『済州島は中国の島に変わりつつある』との声が聞かれるようになった」とつづった。コロナの影響を受ける前の19年末の段階で、中国人は済州島に約981万平方メートルの土地を所有していた。これは全外国人が保有する済州島の土地の43.5%に達する。

 同紙は、中国人が投資競争を繰り広げている理由として、ほかの国々に比べて韓国の投資移民のハードルが非常に低いためだと分析した。現行の制度上、韓国国内に長期滞在するために発給されるF2(居住)ビザは、約5億ウォン(約5710万円)を投資すれば取得できる。F5(永住権)ビザは15億ウォンの投資で取得可能だ。一方、オーストラリアとニュージーランドは少なくとも40億ウォン台の投資が必要となっている。

 自由時報は「中国の投資移民者は、一定期間が経過すれば韓国人と同じ教育・医療保険の恩恵を受けられる」として「制度が施行されて以降、投資移民制度を活用して韓国に定住した外国人のうち7割以上が中国人で、その不均衡が問題になっている」と指摘した。

 最近、済州市内の路上で中国人とみられる子どもが排便する様子がネットで拡散されたが、同紙はこの件についても言及した。同紙は「中国人はいつも、自分たちが悠久の歴史と文化を持つ偉大な民族だと主張しているが、老若男女を問わず国内外で『立ちション』などの野蛮な行為をして各国でひんしゅくを買っている」とつづった。

イ・ガヨン記者

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