▲2017年9月7日、THAADランチャー4基を追加配備するため移送車両が慶尚北道星州郡韶成里のマウル会館前を通過しているところ。これを阻止しようとするTHAAD反対デモ隊が警察と対峙(たいじ)している。/朝鮮日報

 これまで8年にわたり在韓米軍THAAD(高高度防衛ミサイル)反対集会が行われていた慶尚北道星州郡韶成里のマウル会館前が静かになった。2016年にTHAAD配備決定が下った後、風の静まる日はなかった場所だ。星州闘争委・金泉対策委・円仏敎非常対策委・全国行動など6団体が相次いで反対集会を開いた。デモ隊は各種装備・物資がTHAAD基地に向かうたびに警察と衝突し、道路を占拠してTHAAD基地に行き来する全ての車両の出入りを妨害した。一時はおよそ6000人が参加していた集会が、今では外部からやって来た10-20人規模で間欠的に開かれている。数日前には、住民らが集会用のテントを自主撤去した。

 2016年に韓国政府が星州へのTHAAD配備を決定すると、THAAD反対勢力は「THAADの電磁波が星州のマクワウリを汚染する」というデマをばらまいた。扇動に乗せられた一部住民がマクワウリ畑を掘り返し、鉢巻きを締めた。一部の民主党議員はTHAAD反対集会に行って「体の中が電磁波で揚げ物になりそう」と歌を歌った。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、THAADの電磁波は人体に無害だという結果を数十回確認しても隠した。THAADを嫌う中国と北朝鮮を意識したからだ。そのせいでTHAAD基地内部の韓米の将兵らは、きちんとした宿舎やトイレもなく、コンテナのような場所で劣悪な生活をした。韓国の安全保障を守ろうと入ってきた防御システムを、韓国自ら駄目にした。21年に現場を確認した米国の国防長官が、韓国側に抗議するという一幕まであった。それでようやく文政権がデモ隊の統制に乗り出し、物資搬入の道が開けた。

 現政権発足後にようやく、THAADの電磁波は人体に有害ではないという環境影響評価結果が出た。住民らが「THAAD配備で基本権を侵害された」として提起した憲法訴願も今年3月に却下された。これは7年もかかる決定だったのか。今では住民らも「デモをする名分もない」と言っている。結局は理性と真実がデマと扇動を無くしたのだが、あまりにも長い時間と多くの社会的コストが費やされた。星州のマクワウリは数年前から売り上げの最高記録を塗り替えている。このでたらめなTHAADデマを作り、育てた勢力からは、今なお一言の謝罪もない。

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