▲写真=UTOIMAGE

 ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は19日に首脳会談を行い、戦争など有事に両国が相互に支援を行うことを定めた「包括的・戦略的パートナーシップ協定」を締結した。プーチン大統領は同日、金正恩総書記と共に協定に署名した直後の記者会見で「今日署名した包括的・戦略的パートナーシップ協定を通じ、両国のどちらかが侵略を受けた場合に互いに支援を提供する」と述べた。ロシアのタス通信とインタファクス通信が伝えた。

 これは両国のどちらかが戦時状況となった場合、もう一方が自動的に軍事介入を行うことを意味するようだ。旧ソ連と北朝鮮は1961年にも「自動軍事介入」の条項を締結したが、ソ連崩壊後の1996年に破棄された。専門家は「朝ロ関係が28年ぶりに軍事同盟のレベルに格上げされた」と解釈している。金正恩総書記は同日「(両国は)同盟関係という新たな高いレベルに上がった」と述べた。

 プーチン大統領は「北朝鮮との画期的協定により、両国関係は新たなレベルになるだろう」とした上で「ロシアは北朝鮮との軍事面・技術面での協力進展を排除せず、新たな協定の範囲内で軍事分野でも協力を進める」と述べた。

 プーチン大統領は「北朝鮮とロシアは脅迫の言葉を容認しない」「政治的動機による制裁に対抗するだろう」との考えも示し「米国中心の国連安保理による対北朝鮮制裁も見直すべきだ」「韓米日軍事訓練の拡大は平和を悪化させ、地域における安全保障の脅威になっている」と指摘した。金正恩総書記は「両国関係は同盟関係という新たな高いレベルに上がった」と述べた。プーチン大統領と金正恩総書記は同日、平壌の錦寿山迎賓館で約2時間にわたり単独会談を行い、協定を締結した。

 プーチン大統領と金正恩総書記は首脳会談前の冒頭でも両国の強い連携を誇示した。金正恩総書記は「今後はいかなる複雑多難な国際情勢においてもロシア指導部、そしてロシアとの戦略的意思疎通をさらに強化し、緊密に行いながら、ロシアによるあらゆる政策をぶれることなく無条件支持するだろう」との考えも示した。金正恩総書記は朝ロ関係を「最高潮期」「最高の全盛期」と表現し、ロシアによるウクライナ侵攻も支持した。プーチン大統領は北朝鮮のウクライナ侵攻支持に感謝を示し「次の朝ロ首脳会談はモスクワでの開催を期待する」と述べた。

 朝ロ関係の軍事同盟への格上げに韓国政府からは懸念の声が相次いでおり、ロシアが北朝鮮に戦略兵器の配備を提案した可能性も指摘されている。ロシアのリャプコフ外務次官は朝ロ首脳会談直前に公開されたタス通信とのインタビューで「パートナー国と長距離の武器配備について議論した」と明らかにした。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者

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