▲イラスト=UTOIMAGE

 韓国で高齢者虐待が増え続けている。昨年は7000人を超えた。虐待のほとんどは居住する家で起き、加害者の70%が家族だった。

 韓国保健福祉部(省に相当)が14日に発表した「2023年高齢者虐待現況報告書」によると、昨年の高齢者虐待通報は2万1936件で、前年(1万9552件)より12.2%増えたとのことだ。通報があった件数のうち7025件(32%)が実際の高齢者虐待と判定された。高齢者虐待判定件数は前年(6807件)に比べ3.2%増加した。虐待被害者の4人に3人(75.9%)は女性だった。

 虐待のタイプ別(複数集計)では、「力や道具を使った身体的虐待」(42.7%)と「非難・侮辱など心理的虐待」(42.6%)が同じくらい多かった。「介護・世話の放棄・放任」(7.1%)、「財産などを奪う経済的虐待」(3.3%)、「性的虐待」(2.5%)もあった。

 昨年、高齢者虐待の86.5%は家庭で発生したことも分かった。次いで高齢者施設(9.7%)、病院(1.6%)の順だった。

 高齢者虐待の加害者の中で最も多い割合を占めたのは配偶者(35.8%)で、次いで息子(26.3%)、機関(19.8%)、娘(7.7%)の順だった。嫁・婿・孫・親族まで合わせると、被害者4人のうち3人(74.6%)が家族から虐待を受けていた。

 認知症の高齢者を虐待するケースも増えている。高齢者虐待判定件数のうち、認知症の高齢者を虐待したケースは、2019年の1381件から昨年は1822件へと4年間で31.9%増えた。65歳以上の高齢者が高齢者を虐待する「老老虐待」も2019年の2137件から昨年は3335件へと増加した。昨年のすべての高齢者虐待のうち、42.2%が「老老虐待」だった。

チョン・ヘミン記者

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