【ソウル聯合ニュース】韓国の海兵隊が黄海上の北西島しょで行う予定だった自走砲K9による海上砲撃訓練を延期することが17日、分かった。韓国軍は予定していた射撃訓練の延期を相次いで発表しており、南北間の対抗のレベルを合わせるためとの見方が出ている。

 北朝鮮に近い北西島しょでの射撃訓練は、韓国政府が4日の閣議で2018年に結んだ南北軍事合意の効力停止を決めたことを受けて約6年ぶりに行われるとして注目されていた。

 訓練の延期は、実施時期が事前に報じられ、訓練に影響が出ることを懸念した海兵隊側が決めたという。

 北朝鮮がごみなどをぶら下げた風船を韓国に飛ばしたことを受け、韓国が拡声器による対北朝鮮宣伝放送を再開したものの、北朝鮮はこれに対抗する新たな挑発を行わなかった。そのため韓国側も北朝鮮との対抗のレベルを調整するため、射撃訓練の再開という「カード」を今後のために切らなかったとの見方も出ている。

 陸軍も13日に西部の忠清南道・保寧で実施する予定だった多連装ロケットシステム(MLRS)「天舞」の射撃訓練を延期した。

 陸軍は当初、前線に配備された天舞を保寧に運んで訓練を行う予定だったが、北朝鮮兵の南北軍事境界線侵犯など、北朝鮮軍の不穏な動きを受け、前線からの天舞の移動を取りやめ、訓練を先送りした。

 陸軍関係者は「射撃訓練も重要だが、体制維持も重要だ」とし「できるだけ今月中に行う」と説明した。

 一方、韓国軍合同参謀本部は17日の定例会見で、北朝鮮軍が軍事境界線の北側で対戦車用とみられる防壁の設置、道路の補強、地雷埋設などの活動を行っていると発表した。

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