▲イラスト=UTOIMAGE

 中国の2026年サッカー・ワールドカップ北中米大会アジア3次予選進出に貢献したとして、シンガポール代表GKのハッサン・サニー(Hassan Sunny、41)選手に中国から多額の送金が行われていることが分かった。サニー選手が妻と経営する飲食店に中国のサッカーファンから送金が相次いでいるため、サニー選手はインスタグラムなどを通じ「オンラインの送金はもうやめないか」と呼びかけている。

 14日付けの香港サウスチャイナ・モーニングポストによると、サッカー・シンガポール代表GKのサニー選手が中国のサッカーファンに「オンラインでの送金をやめてほしい」と要請した。サニーはシンガポールで妻と共にマレーシア伝統料理の飲食店を経営しているが、その店に現地の客や中国本土からのオンライン決済が相次いでいるという。この飲食店は中国の飲食店口コミサイト「大衆点評」のシンガポール飲食店部門で一気に1位となった。

 送金が続く理由は、サニー選手がアジア2次予選のタイ戦で活躍し、中国の3次予選進出に間接的に貢献したからだ。中国代表は今月11日に行われたワールドカップ・アジア2次予選の最終第6戦で韓国に0-1で破れ、脱落の可能性が非常に高くなっていた。

 ところがシンガポールとタイとの試合結果によりタイが3位となり、中国が2位に上がった。タイはシンガポールに3点以上の差をつけていれば3次予選に進出できたが、2点差だったためタイが脱落し中国が3次予選に上がったのだ。この試合でタイは35本のシュートを放ち、うち枠内も13本あったが、シンガポールGKのサニー選手が11セーブを記録するなど大活躍した。

 そのため中国のサッカーファンからサニー選手が経営する飲食店に対し、1~10シンガポールドル(約120~1200円)あるいはそれ以上の額の寄付が「サッカーファンからの心からの感謝」「中国から愛を」などのコメントと共に送られてきたという。一部の中国ファンはサニー選手を「中国代表の12番目の選手」と称賛した。

 サニー選手はシンガポール国営CNA放送に出演し感謝の思いを伝えたが、同時に心配な思いも語った。サニー選手は送金を受けていることについて「最初は面白かった」としながらも、「いつまで続くのかと思っていたが、これは合法なのか、どこかでやめるべきではないか」と考えるようになったという。その後サニー選手は13日に自らのインスタグラムに中国語で「一部のQRコードは偽物の可能性もある」と警告し「ネットを通じて私に送金するのはもうやめてほしい」と呼びかけた。その上でサニーは「ここ数日、中国ファンたちの情熱を全身で感じられるくらい応援してくれて感謝している」とコメントした。

イ・ヘジン記者

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