▲今年3月にソウルで行われたショートトラック世界選手権の男子500メートル準決勝で滑走する林孝峻。/NEWSIS

 中国に国籍を変更した元ショートトラック韓国代表の林孝峻(リン・シャオジュン、韓国名:イム・ヒョジュン)=28=が、2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪で中国に金メダルを持ち帰るという決意を表明し「中国の国歌を聞くたびに誇りを感じる」と話した。

 林孝峻は今月10日、中国メディア「体壇周報」とのインタビューで、中国国籍取得後の気持ちと適応までの過程、現在のコンディション、今後の目標などについて明かした。林孝峻は「中国にはショートトラックのファンが実に多い。そのことに非常に驚いた」として「初めは内気だったが、今では変わった。特に国際大会で金メダルを取って中国の国歌を聞くたびに誇らしい気持ちになる。僕を応援してくれる人たちに報いたいという思いが湧いてくる」と話した。

 さらに「(国籍変更後、初めて出場した)2022年10月のワールドカップ(W杯)では結果を出せず、悲しかったし居心地が悪かった」「それでも、いつかはまた金メダルを取れると信じている。現在、体のコンディションは年々良くなってきているので、これからもいい成績を残せると思う」と語った。

 その上で「五輪ではリレー種目で金メダルを取るのが最大の目標。チームのメンバーたちと一緒に幸せな結果を手にしたいという思いが強い」として「(韓国代表として出場した)平昌五輪では男子1500メートルで金メダルを獲得したけれど、団体戦でメダルを取ったことがない。その時はリレーでミスをして転倒し、メダルを逃したという苦い記憶があるが、26年の五輪では力を合わせていい結果を出したい」と抱負を述べた。

 本格的に結果を出し始めた昨シーズンについても語った。林孝峻は2022-23年シーズンのショートトラックW杯第5戦で、国籍変更後初めて個人種目(男子500メートル)で優勝した。林孝峻は「五輪でメダルを手にしたときよりもうれしかった」として「長い間ずっと感情を抑えていたせいか、知らないうちに涙があふれていた」と当時を振り返った。林孝峻は今年3月のショートトラック世界選手権でも3冠に輝いている。

 最後に、林孝峻は「中国に来てからパンダが好きになった」として「落ち込むたびにパンダを見に行く。ファンのためにヘルメットをパンダのデザインにした」と話した。慢性的な足首の故障についても「今は大きな問題はない」「選手生活で何度も手術を受けたが、諦めなかったから今の結果を手にすることができた」と話した。

 太極マーク(韓国国旗)を付けて18年の平昌五輪に出場した林孝峻は、男子1500メートル決勝で金メダルを獲得し、韓国ショートトラックの看板選手と言われた。その後、さまざまなバラエティー番組に出演して大きな人気を集めた。しかし翌年の6月、練習中に後輩の黄大憲(ファン・デホン)のズボンを無理やり下ろして体の一部を露出させていたことが分かり、波紋を呼んだ。

 林孝峻は強制わいせつの罪で起訴され、一審では罰金300万ウォン(約34万円)の判決を受けた。林孝峻は判決を不服として控訴し、大法院(最高裁判所に相当)では無罪となった。しかし、これより前に行われた大韓スケート連盟の調査で林孝峻の行為がセクハラに該当すると判断され、資格停止1年の懲戒処分を受けた。このため選手として復帰ができなくなり、2020年6月に中国国籍を取得する道を選んだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)のオリンピック憲章には「選手が国籍を変更して出場する場合、元の国籍で出場した国際大会から3年が過ぎてから出場が可能になる」と定められているため、22年の北京冬季五輪には出場できなかった。それでも中国チーム所属として存在感を示し続け、北京五輪の男子1500メートルで黄大憲が金メダルを獲得すると「俺が復帰するのを待ってろ。お前たちと並んで戦ってやる」と書き込んだ。

 また、中国のファンたちと交流する際には「中国が好きなので将来は中国に住みたいと考えている」「中国のためにたくさんメダルが取れるよう頑張りたい」「中国の女性の方が韓国の女性よりもきれいだと思う」「中国の女性と交際してみたいとも思う」などと発言した。

ムン・ジヨン記者

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