▲韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表/ニュース1

 韓国野党・共に民主党は12日「下着メーカー大手のサンバンウル(による北朝鮮への送金)事件を捜査する検察は『存在しない罪』をでっち上げるため懐柔して陳述させた疑惑がある」と主張し、捜査機関による偽証の強要を処罰する「捜査機関誣告(ぶこく)罪」を新たに制定する考えを示した。大庄洞事件でかつて弁護人を務めた議員らは「特定の人物を処罰する意図のある捜査と疑われた場合、判事は令状を棄却しなければならない」と定める「標的捜査禁止法」も提出した。同党の李在明(イ・ジェミョン)代表が「北朝鮮への送金」で追加で起訴されたことを受け、李代表を守るため刑法や刑事訴訟法まで変えようとしているのだ。

 共に民主党は送金事件を捜査した検事を捜査する特別検事法の制定も進めている。大統領が拒否権を行使すれば、捜査を担当した検事を弾劾するという。李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事に対し送金で有罪を宣告した裁判長までも批判し「審判(判事)も選出すべきだ」とまで訴えている。被疑者が裁判に不服との理由で判事を告発でき、法律を誤って適用した判事や検事を処罰する条項まで制定するという。共に民主党は過去にも検事を弾劾したことはあるが、このままでは判事まで弾劾する暴挙に走る可能性も十分にありそうだ。国会を掌握した政党が国民ではなくただひたすら李代表一人のためだけに立法権を自分勝手に行使する構えを見せているのだ。

 共に民主党は個人による報復性の法案も次々と提出している。国民権益委員長だった時に内部告発を受けた全賢姫(チョン・ヒョンヒ)議員は、金建希(キム・ゴンヒ) 夫人ブランド品受領事件を終結させた国民権益委員会に対する特別検察官法の制定も明言した。 崔敏姫(チェ・ミンヒ)議員は「国会が推薦する放送通信委員候補を大統領は無条件に任命しなければならない」とする法案を提出した。崔議員は昨年、共に民主党から放送通信委員として推薦されたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は崔議員の前科(虚偽の流布など)を問題視し任命を保留した。娘の名義で事業融資を受け、江南のマンションを購入した梁文錫(ヤン・ムンソク)議員は、メディアの報道に懲罰的損害賠償を支払わせる言論仲裁法改正案を提出した。

 共に民主党は李代表を大統領候補になれなくする党の規定なども全て変更している。国の法律は国民のものであり誰か一人のためのものではない。ところが共に民主党は李代表一人だけのために国の法律と党の規定を勝手に修正し変えようとしている。「立法の私有化」とも言える状況だ。韓国の政治はこれまでさまざまな紆余(うよ)曲折を経てきたが、「立法の私有化」という言葉まで出るとは想像もできなかった。

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