▲全北特別自治道扶安郡で12日にマグニチュード4.8の地震が発生した。写真は震源に近い扶安郡の扶安青磁博物館で地震により落下した青磁を片付ける職員。/ニュース1

 全北特別自治道扶安郡で12日朝、今年に入って韓国で最も規模の大きいマグニチュード4.8の地震が発生し、震源に近い湖南(全羅南北道)地方とその周辺が大きく揺れた。湖南地方の内陸でマグニチュード4.0以上の大規模な地震が発生するのは今回が初めてだ。

 気象庁によると、12日午前8時26分ごろ、全北特別自治道扶安郡扶安面を震源とするマグニチュード4.8の地震が発生した。余震も本震から10時間で17回観測された。扶安郡とその周辺では1978年以来40回の地震が観測されたが、マグニチュード4.0以上の大きな地震はなかった。湖南地方全体でも海の周辺ではなく内陸でのマグニチュード4.0以上の地震発生は今回が初めてだ。

 今回の地震は扶安郡庁から南南西にわずか4キロの扶安公設運動場付近の市内中心部が震源の地震だった。通常韓半島の内陸で発生する地震は震源の深さが10キロほどのケースが多かったが、今回はそれよりも浅い8キロ地点で断層がずれたため、体感の震度はかなり大きかった。地域ごとの被害状況推測の根拠となる計器震度は扶安郡のある全北自治道で震度5を記録した。震度5は全ての人が震動を感じ、窓や陶器などが割れるほどの強い揺れを意味する。湖南だけでなく嶺南(慶尚南北道)地方や忠清道でも震度3-4の強い揺れを観測した。首都圏や江原特別自治道でも「地震の揺れを感じた」との通報が入るなど、全国が今回の地震の影響を受けた。

 出勤中の市民は「戦争が起こったのかと思った」「爆弾が爆発したように感じた」などと一様に驚いた様子だった。犠牲者は出なかったが、扶安郡の複数の学校で給食調理室の天井が落下し、建物の一部にひびが入るなどの被害が発生した。全国でも四つの学校が休校となり、三つの学校は遠隔授業あるいは短縮授業となった。韓国行政安全部(省に相当)中央災害安全対策本部は非常事態第1段階を発令し、地震危機警報を「警戒」段階とした。

 これまで韓半島で大規模な地震は環太平洋火山帯に属する日本に近い海域、あるいは嶺南圏に主に集中していた。ところが環太平洋火山帯とは距離のある湖南地方でマグニチュード4.0以上の地震が発生したことで、「韓半島にはもはや地震の安全地帯は存在しない」との指摘が相次いでいる。

パク・サンヒョン記者、扶安=キム・ジョンヨプ記者

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