▲9日午前5時32分頃、仁川市弥鄒忽区鶴翼洞の集合住宅屋上に北朝鮮から飛来した汚物風船が落下した。写真は風船を撤去する消防隊員。/仁川消防本部

 北朝鮮は先週末に2回、いわゆる「汚物風船」を再び韓国に飛ばした。通算で3-4回目となる今回の汚物風船は首都圏、江原道、忠清北道など各地で発見された。ただし今月1日と2日の1-2回目とは違い今回韓国国内で財産被害は発生しなかった。2回目の時は駐車場に止めてあった車の窓ガラスが割れ、仁川国際空港で航空機の発着が遅延するなどの被害が発生した。

 韓国軍合同参謀本部が9日に発表した内容によると、北朝鮮は8日夜から9日午前10時までの間に330個以上の汚物風船を韓国側に飛ばし、うち約80個が地上に落下したという。発見された場所は北朝鮮に近いソウル、京畿道、仁川、江原道に集中していた。風船について合同参謀本部は「内容物を分析したところ、安全上問題となる物質はなかった」「関係機関と緊密に協力しながら対応に当たっている」などと説明した。9日夜に4回目の風船が飛来した直後の夜10時15分ごろ、ソウル市は「風船がソウル上空に飛来した」として市民に緊急メールを送付するなど注意を呼びかけた。

 風船が2回目に飛来した直後、韓国軍と専門家は「今後北朝鮮は風船を再び飛ばす可能性は低い」と予想していた。通常だと1年分に相当する1000個の風船をわずか数日で飛ばしたため、風船やタイマーなどが不足すると考えられたからだ。ところが北朝鮮はそれからわずか6日後に再び風船を飛ばしてきたため、韓国軍の予想は完全に外れた。

 各地の自治体などによると、今回発見された汚物風船には紙やビニールのごみなどが入っていたという。中には油とみられる物質、中国語が書かれた包装紙もあった。

 ソウル市内では今回市民から68件の通報が入り、ソウル市は8日夜から非常対策チームを立ち上げた。仁川では32件の通報があり、中区の安全海域防御司令部と沿岸埠頭(ふとう)沖合、西区の黔丹高校、南洞区の幼稚園、弥鄒忽区の集合住宅屋上など各地で風船が発見された。京畿道では高陽市、坡州市、軍浦市、水原市などで消防署に合計15件の通報があった。江原道では洪川郡や春川市などで3件、忠清北道では永同郡で1件の通報があった。

仁川=イ・ヒョンジュン記者、チェ・ヨンジン記者、水原=キム・ヒョンス記者

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