無断早退を教頭に止められて「犬××」というののしり言葉を浴びせ、教頭の頬を何度もたたいた全北特別自治道全州市内の小学校3年男子児童が、出席停止(登校中止)期間中に自転車を盗んで摘発された。

 これは全北未来教育新聞が9日、「教頭の頬をたたいた児童が出席停止期間中に自転車を盗んだことが発覚した」と報道して分かったものだ。動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネルで公開された動画を見ると、この児童は盗んだ自転車について「オレのだから」と主張し、動画撮影者に拳を振り回して威嚇している。そして、道路に飛び出して逃げようとする動きを見せた。さらに、動画撮影者に向かって「あの女、本当の教育というものをしてやろうか」などと脅す様子もカメラにとらえられている。

 動画撮影者はこの前日の8日、男子児童が通学している小学校の別の保護者から「男子児童が他の児童の自転車に乗って町内を走り回っている」と聞き、全州市内でこの児童を発見、警察に通報したという。

 この児童は動画で、児童虐待が疑われるような話もした。「ご飯は食べた?」と周りの大人たちに聞かれると、この児童は「食べていない。母親にたたかれた」と答えた。「なぜお母さんにたたかれたの?」という質問には、「オレが食べ物で好き嫌いをしたから。木でできているとがった物で(たたかれた)」と答えた。動画は全てモザイク処理されており、児童が殴られたという顔の部分の状態は分からないが、同紙は「児童の左の頬骨に大きなあざがあった」と報じている。

 ただし、男子児童のこうした主張が事実かどうかは確認できていない。

 この男子児童は3日、通学している小学校で無断で早退しようとし、これを止めた教頭に暴力を振るった。この時撮影された動画には児童が「犬××」というののしり言葉を繰り返し発して教頭の頬を何度もたたく様子が写っていた。教頭は児童に暴力を振るわれても止めることができず、手を後ろに組んで立っていた。

 学校側は4日、学校生活教育委員会を開き、この児童に対して10日間の出席停止を決めた。

 この児童は別の学校でも騒ぎを起こし、先月14日に同校に強制転校してきたという。しかも、これだけでなく、問題行動を起こしてこの1年間に3回転校していたことが確認された。

 全北教育庁は5日、児童の母親を「教育的放任による児童虐待」の疑いがあるとして警察に告発した。同教育庁の関係者は「この児童は心理治療などの措置が必要な状況だが、母親が同意しないため治療ができない。児童虐待が認められれば、保護者の同意がなくとも治療が可能だ」と説明した。「児童に対する治療が必要だ」と学校側が要求しても、母親はこれまで応じてこなかったとのことだ。

 この過程で、母親はメディアとのインタビューに応じ、「子どもが一方的にたたいたとは思えない」という趣旨で語ったことが明らかになり、批判が巻き起こった。また、この母親は児童が教頭の頬をたたいた日に学校に来て、担任教師に暴力を振るったという。担任教師は現在、母親を警察に告訴した状態だとのことだ。

パク・ソンミン記者

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